カヤックとの付き合いも、かれこれ30年・近くになって。一番・最初に憧れて・この遊びの世界に興味から、実際に自分の「カヤック」を持つ様になったのは。やはり、スキン・カヤックに惚れ込んだから。経費(金銭的)な、制約と、実際に海や川に出掛ける為の『費用』の釣り合いと、限度に縛られて・使える範囲が限定される「この最も素晴らしい・カヤック」を使うのは・中々。難しいので、いつかは、『本物』を手に入れて、北の川や・海に漕ぎ出したい。

カヌ−・カヤックの世界では、まずは、川から、この「遊び」に入って来る人達が多い。深入りすると、この『遊び』=アルパィン・クライミングと、たいして変らない、本物の冒険と危険を克服しなければ、先には進めない・かなり「危ない要素」を秘めた・現代では数少なくなって来た・本物の冒険と言える。

『ウイルダネス』の言葉の、定義に見合う『場所』が、北海道の知床半島に代表される、僻地の・本当に、ごく一部の国土にしか存在していない現在では「川」に、冒険心を奮い起こす為には・激流に挑むしか、その方法やスタイルは、あまりない様に思える。

本格的な山岳・渓谷も例えば黒部渓谷を舞台とした「冒険的な川下り」には、本物の冒険の香りがするし実際・問題として、技術面も含めて、まだ・まだ国内の山岳・渓谷・渓流での過激な遊びには、可能性が残っている。

そういった「過激・系」の、川下り。この遊びに・スキン・カヤックは対応できない。現在なら、キャニオニングやハイドロ・スピ−ドが、このジャンルと同一・環境で遊べる。『冒険的』な、遊びには、場が縮小する宿命の中で使える道具で、新しい「場」が、増えて来たことは幸運だ。

カヤックの分類では、一般的には骨組み(フレ−ム)と船体を包むスキンで構成される「フォ−ルディング・カヤック)と、合成樹脂やケプラ−・グラスファイバ−等の現代・素材を使用してカヤック本体を成型・製作した「リジット・カヤック」の2種類に大別する事が多い。

一時期「日本の川を旅する」の著書で、著名。後に辛口エッセイが「アウトドア・雑誌」にて、連載されて(現在も連載中)その、独特の川遊びカヌ−の世界の、紹介が多くの人達に「影響」を与えて。「リバ−・ツ−リング」としてのカヤック(カヌ−)を使った・遊び世界を普及させた。野田氏が、ファルト・ボ−ト(折畳み・携帯タイプ・カヌ−)の良さを積極的に紹介。その川旅スタイルと共に・購買・意欲を加速させたので、私の仲間でも、この折畳めるカヌ−を持っている者は、意外に多い。

『スキン・カヤック』

この、ファルトと称されるカヤックは30年程前には、まだ広く、一般的には知られていなくて。国内・生産も確かフジタ・カヌ−・ただ1社で、輸入物に関しても、それほど選択肢が多かった訳ではなかった。
当時、偶然に古本屋で見つけた「主婦の友」関係の出版元が、何かミス・マッチだと感じた「手作りファルト・ボ−ト」にも、かなり刺激を受け。同じ頃に・読んだ仏ガイド「ルネ・ドメゾン著書」自伝的なクライミング内容だったが、前後・時期は定かに記憶は、していないのだが。氏が来日して・私も少しばかり・その機会の恩恵を受けた若手クライマ−の一員だった幸運と、共に「著作・素手の山」の、中に面白い記述を見つけて読んでいた。
山行(クライミング)資金の調達に、ガレ−ジで・子供仲間と手作りカヤックを作って「売った」その資金を利用してクライミングに・・・ニスを(にかわ)塗って・乾く時間の・・・・の、記述に、とても興味を抱いた。
とても、日本の子供時代には、考えられない・一種のアルバイトだが。子供でも、造れるのだ。そういった感慨は深かったし、憧れていたアルピニストが・場違いな様な「カヤック」に、若い時には関係していたと言う事実も、面白かった。以降・意外と海外クライマ−の中に、カヤックと関係している、人達が多い事にも気が付いた。

『道具』は、目的の為に・使う。初めて、自転車を手に入れた、次ぎの日には、西に向って「家出」の旅に、ひた走っていた私には、目的あっての『道具・用具』といった意識が、人より・かなり強い。

IBSの大村・氏から、安価な価格で個人的に、譲って貰った。フジタ・カヌ−の二人艇。こいつを・長い期間・使用していた。

『道具』としての、この柔軟性が特長とも言える・スキン・カヤックは、当然の事ながら。硬くて強い・素材で船体そのものが形作られている「リジット・タイプ」のカヤックと、比較すれば・明らかに弱くて・頼りない。
それでも、カヤックと言う・素晴らしい「水上の乗り物」を、発祥の歴史や伝統・伝説から見て・考えてみると、リジットに比較して、この「スキン・タイプ」には、強度や性能とは、違った『伝承系』の・浪漫が残っている。好きか・嫌いかは、好みの問題と、本人の「安全」意識や、財布の中身も関係して来るので、何が・良い。のか、断定する事・自体が間違いなのかも知れない。

結局、ここに出している3種類の、異なるタイプのスキン・カヤックと、短い期間だったが保有・使用する機会に恵まれた後4タイプを、これまでに乗り継いで来たが、それぞれの「スキン・カヤック」には、個性があって。独特の乗り心地・使った「場所」での、記憶と共に、ツア−ト中に、船体に穴が空き・危うく川底にカヤックを残地・自分も川から逃げれなくなるのではと、恐かったような想い出に・当て布・ガムテ−プで、つぎはぎ・だらけの船底・面倒な修理や改造・加工。手間が、かかる程に・可愛い?リジットしか、使った事のない人達には判らないでしょう。そういった・面倒さ・強度面の不安や、弱さを。自力で解決・突破する『道具を使いこなす・楽しさ』を、満喫させてくれたのは、やはり・良い体験を積めたと今は、思う。

淀川を下り「中ノ島・公園」までのカヌ−企画に
参加して。仲間達と・ちよっと珍しい川下り。

【水門】は、滅多にカヌ−では、通過・出来ない場所なので。こういった特殊な「企画」にで、参加しないと水の都「大阪」の中には気楽に、入って行けない。
(右・写真)は、企画をが終わった『ゴ−ル地点』の、中ノ島・公園にて、ファルトを畳み・帰宅する途中。ちよっと、この格好で車を止めた・場所まで街中を歩くのは気が引けた。

瀬戸内海(岡山の海)にて、遊ぶ。
このタイプは、アルミ・フレ−ム・タイプ。
国産・初の「アルミ・パイプ」タイプの当時としては最新モデルだった。

こちらは、古典的なウッド・フレ−ム・タイプ

リジット・タイプのカヤックの中で、ファルト・タイプの船体形状に良く似た、性質と安定性を持ったモデルが、(下・写真)のPRIJON社の(Yuko−Expedition)だ。操作面での安定感は、ファルトに似ていて。積載・能力が高くて、私の様に長期・川旅・他の遊び・道具も沢山・積むツ−リングには最適。

現代の『遊び・スポ−ツ』使用のカヤックの中では、実はスキン(ファルト)カヤックは特殊なタイプとして認識される。このタイプのカヤックの最大の特徴は、折畳める(組み立て式)のカヤックだという事だ。俗に「フォ−ルディング・カヤック」と呼ばれる由縁だ。日本では、一般的には「ファルト・ボ−ト」と呼ばれている。
折畳める利点は。兎小屋と、馬鹿にされる「日本の住宅・事情」には、最適。アパ−トや倉庫が無い・共同住宅・などに住む人達には、面倒な「保管場所」の心配を、せずに済むので利用価値は高い。
ただ、骨組みと・船体を覆う布で出来たカヤックなので・、強度面には限度があって。リジット・タイプの様な使い方には、絶対に向かない。元々が、激流・濁流・環境の川を下ったり、長距離の海の航海で使う様には出来ていない。持ち運びに便利で、収納も容易だからといって、過激に使えるタイプでは、無い。

船体布の強度一つ、考えても、非常に損傷率が高いので。使い方を充分に計算し。使用範囲を判断しなければ無用・無謀な危険を自らが、引き起こす。安易な選択は間違いなので「使用限界」を自らが、判断して使うのが基本だという事を、知っていなければならない。

(リバ−スチ−ル・トランパ−)

組み立ては、この種のタイプの中では簡単な方だったが、しっかりとテンションを与える様にセットしないと船体布の・たわみ・でヨレル欠点があった。形状的にはバウが、立ち上がっていて・水線長が長く。直進性能は良かったので海でも使えた。仲間の女性に、よく貸して使っていた。

(フジタ・カヌ−・SS−1)

国産の折畳み(ホ−ルディング・カヤック)では、長らく・代名詞的な存在だった・ドイツ・クレッパ−艇をモデルに国産化されたカヤック。
フレ−ム・パ−ツが木製だった事から、各パ−ツの修理や補修・補強や時には、改造が行える『手間』の楽しさも味わえた、数少ないカヤック。

笠置での「ボルダリング講習会」で、オヤジさん・と出会うごとに、専用バッグのデザインを頼むよと・言われていたのに、お役に立てず申し訳ない想い出が残る。3艇・ほど新旧・異なるタイプを使った経験がある。性能的には・安定したカヤックだった。

(七輪・椅子にテ−ブルも積載できる)

『競技系』の遊びとは、根本的に違うのです。

クライミングと空と海を
一つの、場所で遊べる
得がたい『エリア』です。

一時期。本気で引っ越して
来ようか。
と、考えてしまった。
『ボルダリング』は好きだが
それだけではね。

『ゲレンデ』としては理想
フィ−ルドとしては・・・・

2006/04/06 (木) 23:29:18

スキン(フアルト)タイプのカヤックでも充分にクライミング・ギアと数日分の生活・食品装備は積載できる。開拓クライマ−が、。見たら狂喜乱舞ものクラッグは意外と手軽な距離範囲に点在している。発見の喜びは、情報のない状況ほどに楽しいでしょう。
1991年3月26日 早春の『琵琶湖』にて、残雪の稜線は比良山の山並み
水上からの『お花見コ−ス』こちらも琵琶湖・北湖の穴場にて
『FALT BOAT/フアルトボ−ト』
レイク・ディストリクトのYH主催の、運河とクリ−クでの『スク−ル』経験から、実に15年を経過して再開したカヤックでの旅は、ファルト・ボ−ト(スキン・カヤック)の使用が基本だった。木製フレ−ムと、ジュラルミン・パイプのフレ−ムも両方、使って来たが個人的には『軽合金・バイプ使用』の、フレ−ム構造が、これからは優位だと感じている。ウッド(合板)フレ−ムにも一種・独特の雰囲気と愛着を感じるが、実用性から考えれば、これからはカ−ボンやケプラ−を板状に成型したフレ−ム構造に期待したい。
『神様が、与えてくれた夏休み』日本海側での海遊びに最適な期間。ファルトでも条件に恵まれた、この短い夏休み期間は安心して楽しめます。未開拓なシ−クリフの発見や挑戦も楽しい。
『琵琶湖』周辺は穏やかな海と同じ雰囲気が楽しめるフィ−ルドでもあるが、北湖では季節風や悪天候時には随分と、厳しい遊びも体験。クリ−ク・リバ−様な感覚で遊んだ、琵琶湖に注ぐ支流や川堀も面白いと思う。北湖には花見時期には家族連れの仲間達と、よく遊びに行った。最近は、この辺りに遊びに行く機会も少なくなってしまったが、カヤック利用での湖面からの花見は、なかなかに楽しいと思う。比良山系に雪を見る季節が個人的には、湖面を漕ぐのには好きな時期でもある。
(上・写真)釧路川で使っているリジット・カヤックは、このタイプとしては特別、珍しいファルト(フォ−ルディング)タイプに似た、船体形状と性質を持った『ツ−リング専用タイプ』で、この種類のカヤックは市販品の種類が非常に少なかった頃には、珍しかった。プリョン社の『ユ−コン・エキスペディション』未だに、現役で使える。現在はベランダにスペクトラムと共に、ぶら下げて次ぎの出番を待ちながら保管中。4m50cm艇長で、ラダ−は標準装備、そしてこのラダ−は川でも使える丈夫なタイプで、少しばかりフアットな外観と愛嬌を感じる全体の形状が、今風のシ−カヤックを見慣れている人には面白く感じるらしい。それでも、このクラスの艇としては内部週能力が大きくて、ハッチ形状がフラットなのと、コクピット・シ−トも長いツ−リング向きで、自分の体格にもマッチしているので愛用艇だと言える。他に、同じ艇を持っている人も少ないというのも、個人的には少しばかり、うれしい。