超小型の『焚き火・専用用具』
地面に、僅かな燃焼後の痕跡も残さず、最低限の自然界で手に入る『燃料』で、大抵の場所で小さな『焚き火』が楽しめる。『ユニフレ−ム/ネイチャ−スト−ブ』2種類のサイズが販売されていて、この写真のは小型タイプ。白神山地の追良瀬川を遡行して、山頂への渓谷での2泊で、メインの燃焼用具(小型ガス・コンロ)と、共に使用した。ガイド山行の時に、使う機会は少ないのだが、この時は特別。
オ−トキャンプの為の、本格的で耐久性に優れた、薪や炭を使う事を前提として、作られた『焚き火・専用の用具』は、数年ごとに新しい製品が登場していて、出来の良し悪し、は別として『炎』や『焚き火・愛好家』には、それぞれに好みが合って、楽しめるのだが『小さな焚き火』を、手軽に行える用具は少ない。
この『ユニフレ−ム/ネイチャ−スト−ブ』は、実用化されたコンパクトな『焚き火・燃焼用具』としては、唯一と言って良い本物の『実用品』価格も、耐久性も合格点と言える製品だと思う。

『登山用具』として、使う為に購入したのではなかった。最初に、この燃焼・用具を使おうと考えたのは、移動手段と遊びでバイクに乗っていたので、少し遠出してのツ−リングや新しいクライミング・エリアでの、数日間のキャンプで、どこでも手軽に小さな『焚き火』を、楽しみ、そしてガスボンベやガソリン等の、燃料を節約する為のサブ的な燃焼用具が欲しかった時に、こいつを見つけて、使ってみると、実に役立つという事が判ってから、様々な場所で利用して来た。

木の葉、以外の小枝や木片そして、着火後の炎が安定して来たら『炭』も、燃焼物として使える。薄い板を組み合わせた『箱状』の、ごく単純な構造に見えるが、特許出願中の燃焼構造は、上部を僅かに、すぼめた設計で、底部に特殊な耐熱硬メッシュを使用して、燃焼効率を格段に向上させている。このハ−ド・ステンレス板や金属メッシュを使用している辺りに、この小さな『燃焼用具』の特徴がある。ユニフレ−ムは、他のアウトドア・用具メ−カ-と違って親会社が新潟を本拠とする、信越加工という金属関係では信用が高い企業なので、製品群の品質の高さや、アフタ−サ−ビスにも定評が高い。
一般に知られている燃焼用具の特徴である『ラム・エア−』=器具の中での燃焼・箇所が入口から、出口へ空気の流れを促進するように形状を変えて、流入・移動する空気の流れを強制的に早めて燃焼効率も高める。
『煙突効果』と共に、効率的に燃焼物を燃やせる。
小さな外観からは、予想できないほど小枝などを燃焼させるので、使う時には、予め使う燃料としての小枝や木片を多目に、手元に用意しておく。乾燥した「まつぼっくり」や、包装用の厚紙も燃料に使えて、火力が安定してからは少し、用具に対して大きいと感じる『炭』も使えるようになる。
収納は、薄くコンパクトに畳めるが、組み立て方になれる必要はある、別に難しくは無い。
発売・当初からの愛用品『ユニフレ−ム・ネイチャ−スト−ブ/S&L』
沢登り、やビバ−クで利用するとなれば重量的な制約で、小型のSしか使えないがバイク・ツ−リングや背負っても、持ち込める程度の遊びでも、この下・写真の少し大型のLを頻繁に使用している。小型の実用限界・利用可能な『焚火台』として、私が唯一、雪山やクライミング・ツア−でも使い続けている用具。
背負うのには重量的に問題が大きい『四脚の焚火用具』と、組み合わせれば充分な機能を発揮する『焚火台』としても活用出来る。雪上での利用にも、専用の敷板を使えば、沈み込むのも押さえられて実用品としての使用が可能。燃焼物の補給も、この『L』ならば、それほど苦労する事も無くて、快適に使用している。10インチ・アルミ製ダッチ・オ−ブンを使った『鍋』も、この『ネイチャ−スト−ブL』で、毎回・楽しんでいる。
付属の『収納袋』は、少々チャチで使い難いのだが、格別・支障は無くて、別売の専用『網』と組み合わせてコンパクトに収納が可能。特殊耐熱鋼で作られた『金属メッシュ』の、底部品が最大の特色で効率良く燃焼を促進してくれる。他に似た様な用具は、見られず『オリジナル』な、国産品として私は、長く愛用。人にも薦められる数少ない『小型の燃焼用具』日中や、充分な明るさの中での組み立ては、簡単です。

本当の夜の闇を体験した事の無い人には、かなり説明は無意味なのだが、最小限しか光りが利用できない状況では、この単純な『組み立て用具』を、利用する事は意外と難しい。底板に組み込むパ−ツを小さな『穴』に、固定さす為の細い金属棒を、差し込む箇所や、3枚パネルに最後に加えるパネルの4ケ所の固定用・はめ込み部を入れる箇所は、真っ暗な環境では、かなり使い込み、組み立て方に慣れていなければ、まず無理でしょう。

そんな状況下で、使う事の無い人には何も問題ではありませんが、凍える素手で厳しい寒気・風雪の中でも、この用具は扱い難い。しかし慣れてしまえば、かなり絶悪な環境下でも使えるのは確か。
激しい降雪・降雨の中でも使えるように、個人的に簡単な付属・補助品を用意しています。少し、考えて、そういった状況を体験すれば、簡単に自作したくなる物でしょう。既製品に少し、使い易いように工夫するのは実用面での必要からで、机上の計算や想像だけでは、悪条件での使用に役立つ物は、生まれて来ないものです。
単純な構造ながら、抜群の『燃焼効率』
5年〜6年で、買い替え『使用頻度』を考えても、充分に価値のある『燃焼系・用具』だと考えている。
コレクタ−趣味は、薄い方なのに、ことクライミング・ギアや、この種の燃焼用具に関しては、同じ製品を買い換えるのに抵抗感は無い。小型の『S』は、現在2代目で、大型?の『L』は、現在も使用しているのが3台目、別売の『網』も意外と、使い易く軽量でコンパクト。燃焼物を自然の中から発見して、収集・利用するので、それが楽しみ方でもある。
一時期、超?マニアックな用具・愛好家の皆さんから好評・人気のあった電池式・送風機能を持ったアメリカ製の小型『燃焼機械・用具』=シェラ・スト−ブとか、その類似品と比較する方達もいるが、この自然の風や燃焼物しか使わない『燃焼用具』は、本当の意味でシンプルかつ『エコロジカル』な用具。驚くほどの火力が得られる上、使い方を覚えると本当に簡単に利用出来て、工夫次第で使い方も様々に応用が効き来ます。

『バリアフリ−・プログラム』等で、私が長年・愛用している軍用天幕や登山用だが、少しばかり改造を施してある大型テントや防炎シ−トを使用した、簡易型のシェルタ−の中でも『暖を取り、炊事』にも、この小さいが頼りになる『用具』は、十人分に性能を発揮してくれています。
湿った硬い木根や、用具に比例して少し大きな燃焼物も最後まで燃やせて、ほぼ完全に灰に出来るので、使用後の処理も簡単。完全燃焼を即す為の、要領や工夫は経験を積めば、誰でもが簡単に覚える。いたって単純・簡単、そして使用後のメンテナンスも、この種の用具の中では、容易な点も特筆ものでしょう。
『アルコ−ル・バ−ナ−』の項目でも、説明しているのだが異なる『燃焼系の用具』の組み合わせが、意外な効率化・燃焼効果の向上に役立つ例として、組み合わせとして個人的に活用している方法の中で、お気に入りのドッキングが『ステンレス製の国産アルコ−ル・バ−ナー』と『ネイチャ−・スト−ブのL型』との、組み合わせだ。強風に弱い『アルコ−ル・バ−ナ−』の欠点を、カバ−してくれて、底網の耐熱鋼メッシュの空気の流入と、煙突効果が相乗的に合間って『効率的な燃焼』が利用出来て、燃料の節約にも効果がある。
低温化での着火と、燃焼を早める為の、一種のプレヒ−トも、この組み合わせ方ならば簡単なのも特色。
両方を、持っている方で低温化で『アルコ−ル・バ−ナー』の、機能に不満を感じている方は、お試しあれ。
連結されたパネル3枚と、サイド・スリットに挟み込む1枚のパネルに、耐熱鋼メッシュ板、底部にクロス板2枚という構造で、慣れてしまえば組み立て、収納に格別の面倒さは感じないが、やはり少しばかり改良できる部分は多いように感じる。各パネル素材は、腐食に強い金属を使用しているのに、パネルを繋ぐジョィント箇所や、開閉窓のストッパ−が抜けていたり、細かい部品が錆び易いというのも、やはり不満な点だろう。
ユニフレ−ム・ネイチャ−スト−ブの最大の特色は、耐熱鋼メッシュを底部に採用して更に、どの方向からの風も燃焼を促進できるようにクロス・バネルを底部に付け加えた事だろう。この単純だが、非常に実用的で燃焼を効率良く向上させる機能は、他に例の無いアィデイアで、北米などで古くから利用されている円筒型の『燃焼用具』に見られない、独自の構造だ。最近になって、欧州圏から入荷し出した『類似用具』にも、煙突構造を利用したモデルも見受けられるが、耐熱鋼メッシュに良い物が使われていなかったり、底部からの空気の流入を充分に計算していない、単純な物が多い。構造的に面白く、実用に耐えると思うのがスイス製の『MAGIC FLAME』だが、どこでも手軽に入手できるタイプの用具でもなく、普及していない。

又、既存の用具の使用や購入とは別に『自作品』で、楽しむという人達も、最近では増えていて、最も単純でかなり古くから利用されて来た『燃焼用具』としては、比較的・簡単に改造が行えて、安価なオイル缶や、もっと古い時代から、利用者は多かった『一斗缶/イットカン』に、穴を空けたような『焚火』にも、使える改造品があった。そして現在では、便利な用具や素材が誰でも、簡単に入手できるホ−ム・センタ−や百円シヨップの存在で、古い時代に先輩達が試行錯誤・苦労して自作したり、改造したような独自のアィディアやオリジナル性を持った用具を、作り出せる人は少なくなってしまった。

被災して数日後の、テントを張っていた空き地で隣人達は、昔に鉄工所で勤めていたという老人の、ー指図に従って、廃材や崩壊した自宅から引き出して来た建材も、有効活用して本当に使える『燃焼用具』を作り出していた。
そう言えば、私が10代の最後の冬に、労働と住居を与えられていた北の辺境地では、どの村の家庭でも土手の様な場所から、百年・単位で、その場所に居住する家族が乾燥させれば、しっかりと燃える『燃料』を、若い者が切り出して来るのが、秋の日課でもあって、スト−ブ類も、殆ど全てが主や、先代の自作した物だった。

『国際交流』の世界で、燃料の必要性に迫られて、砂漠化や数多くの弊害や、将来の問題を秘めながら森林や植生の消滅が、深刻な地域で日本独自の『かまど、や泥や石で製作できる燃焼用具』の有効性が脚光を浴びていると言う報告を、かなり前から聞いていて『ネィチャ−・スト−ブ』の構造を、もっと安価に現地の資材でも作り出せたら、きっと役立つとも思うし、簡略化し価格を抑えた製品を、支援物資として利用するのも、良いのではと、ずっと考えている。
調理器具を乗せる必要が無く、単純に『暖を取る目的』や、『火を楽しむ』のならば、意外と燃焼物の大きさに制約を受けない。小枝や松ボックリばかりが、燃料と思われがちだが、一定の火力が起き出せば、意外と使える燃焼物の種類は多くなる。燃焼効率の良さを利用して、湿った薪も順次、利用できるのも良い点だ。