丹波『南中大岩』 |
『丹波』の山々と聞くと、一般的には『長老岳』などの中国山地の、なだらかな『丹波高原』を連想する、登山者が多いが、(旧)RCCが六甲山で本格的な『ロック・クライミング』活動を開始してから、その活動範囲を各地に広げ始めた時期に、当時の交通網・範囲で(旧・国鉄)福知山・路線で、行き帰り可能だった『丹波の山』にも、クライミング目的での『毛虫捜し/地図上の岩場記号を毛虫に例えて』岩場・探しと、探査対象の山でも在った。『南中大岩』は、その頃にはクライミング対象の『場』としては、知られていなかったと考えられるが、昭和の時代の後継者クライマ−の中には、この山頂に広がる『目立つ岩場』に、視線を向けたクライマ−や登山者も存在していたと考えられる。現代的な『フリ−クライミングの場』として、利用され出した今でも30年〜もしくは、それ以前に残されたと見られる、錆びた『リング・ボルト』の、残置を岩場上や岩壁部で発見できる。 『フリ−クライミング・エリア』としての、本格的な『開拓と整備』に着手したのは、播但・播州範囲で最も精力的に『岩場の開拓』で活動している、大阪の『勝山山岳会』が、中心となり地元の『丹波山岳会』や、他のグル−プ・メンバ−も加わり、比較的・短期間で『エリア』としての開拓、整備を完了させて、2007年の『ROCK&SNOW/35号』Chronicle欄に、ル−ト情報と概略図を含めて『公開・紹介』したのが、最初だと思われる。兵庫県の岩場としては、ごく最近の新しい岩場紹介と言える。簡略化した『ル−ト紹介図』を別として、記載されたアプロ−チ説明の『地図』は、明らかに間違いで道路・関係の概略図は正しくないので、間違う人は多いと思われる。紙面に掲載された『地図』上の、『主婦の店』を目安に、南(西脇))方面から、北上して右折すると、全く違う山中・寺院方向に侵入してしまうので、国道『175号』を、更に北上して『野坂』の、緩い登りを越えて下った、四差路を『南中大岩』の、看板を見て右折して駐車場へ向われる事を薦めます。岩場の全体を『観察・遠望』するには、船戸橋辺りからが最も肉眼でも『岩場』を目視できます。 |
この周辺でも『鹿の食害・農作物・被害』が、深刻化している様子で『南中大岩』への、アプロ−チ利用している林道への侵入『ゲ−ト』は、通年『閉鎖』されているので、立ち入る場合は各自が『ゲ−ト開閉』を行い、必ず簡易ロックとスライド・ゲ−ト棒を元に戻してから、通過するようにして下さい。帰路も同じく、確実に『ゲ−ト』を締めておくことを忘れずに。又、秋には期間限定だが『全山・立ち入り禁止措置』が、松茸山として開始されるので、この期間は『クライミング』も行なえない。当然ながら山中での『キャンプや焚き火』は厳禁・禁止であるので御注意ください。 |
『南中大岩・直下』への最短の、アプロ−チは『ゲ−ト』から、通年・湿った林道を直進後『南中大岩』への 『標識』設置・箇所から左に杉林の中の、踏み跡に入り途中の不明瞭なT字路を『右』に、その後は意外と急傾斜の山道を所々、岩場交じりの落葉で滑り易い『急登』で、岩場・正面の直下へ。意外と岩場へのアプロ−チとしては、悪い?特に雨後は滑り易いので重荷の時は慎重に『登下降』する必要があります。10代〜20代には、手頃なウォ−ミング・アップ・コ−スだが、40代〜50代クライマ−には、決して楽勝アプロ−チとは言えない。実際、この岩場までの『急登アプロ−チ』半ばで、敗退したというクライマ−の噂もあるとか?遠方からの『クライミング・ツア−』の方々には、ちよっと御薦めできそうにないのは少し残念。山屋タイプの私のようなクライマ−には、風が心地良くて景色も満喫、しかも岩場の終了点が『山頂』と、お好み、お気に入りタイプの岩場なのだが、歩くのが嫌いな今風?のクライマ−には、敬遠したくなりそうな『岩場』だと説明しておいた方が良いかも知れない。 |
低山ハイキングとしては、意外と知られている一般コ−スの『バクチ岩・経由』と違って『岩場・直下』への急登コ−スは、入山者も少なくクライマ−の人気も『最近ではイマイチ』らしく、足下が見えないほどに荒れ出している模様。岩場・下はゴミの散乱も無く、基本的に『落石』の危険も無くて快適な範囲。一般道は左へ巻き上がる。 |
国道・走行中に『南中大岩』は確認できるが、より全体を確認したい場合は『橋』からが最適。 |
一つ『南』に坂を下った『主婦の店』から、入る道の奥には『ロウセキ岩』と、呼ばれる山上の目を引く岩が存在しているが、そちらの岩場がクライミング対象として、紹介されたという記録は見ていない。 |
国道方面から見上げた『岩場』の、スケ−ルと実際に山上まで上がって、確認・感覚的に判断する岩場の大きさには、かなりの範囲で隔たりを感じるというクライマ−は多い。高距の感覚は人それぞれだが、この岩場は 『目立つ』わりに、実際の大きさは意外とコンパクトだ。クライミング・エリアとしては、整備が終了。 |
写真では、判り難いが『勿体無い』高品質な専用品を使用しながら・・・・ |
関西では『播州・播但、山地』に多い『凝結岩・風』の浸食による凹凸や穴の多い岩質が、石灰岩に近い形状のホ−ルドや、感触を楽しませてくれるが、基本的に表面の風雨に曝される箇所の『ヒダ状や剥離した岩』は脆くて、岩質も柔らかいので『残置するボルト類』には、花崗岩よりも注意深い、施工・使用品の選択が必要だ。終了点が上部壁・手前のル−トが多いが、左壁には山頂へ抜け出るラインも存在している。 |
正面壁のル−トと違い『左壁』のル−トは、少し長いので50m程度のロ−プ長さを使用するのが無難。歩いて、取り付きに戻るには『コル』からの一般道・使用と、山頂から緩いスラブを右下へ、草付きの倒木混じりの『ルンゼ状』を慎重に下降するというのも早いが、一ヶ所『短いスリング』利用が必要となり、ハイカ−が間違って、は入らない様に、紛らわしい『残置スリング』の放置は、止めておきたい。 |
真夏は『南面』の岩場なので暑いと思われる。山頂・直下とは言え低山なのでクライミング最適期は春と秋だろう |
山頂付近の『残置支点・類』の使用には、補強策を講じる必要を感じると思う。錆びた『リング・ボルト』等から、かなり以前からクライマ−が、訪れていたことが理解できるが過去に『公的に記録が公表』されたのか、定かではなく、関西のクライマ−の80年代からの話題の中で、この岩場が噂になった記憶も数件。 |
『ネット情報の範囲』では、意外と良く知られた手頃な『ハイキング・コ−ス&山頂』として、訪れるハイカ−が多いようだ。『バクチ岩・経由』で、山頂への一般コ−スに、特別・困難な箇所も無く『山頂』は、他の周辺山域と比較しても岩場・ピ−クとして評判は高い。稜線上のハイキング道・標識とも整備されている。 |
神戸・大阪からの『日帰り圏内のクライミング・エリア』の環境だが、車利用が前提となりアプロ−チの労力と時間を考えると、近年・播州・播但範囲で再発見・新規開拓、整備された『新しい岩場』と、比較される『南中大岩』は、少しばかり不遇な岩場と感じる。個人的には好きなタイプの『岩場・ル−ト』環境で、講習・企画での利用も前提として、良い『岩場』だと思うが人気上昇中の『クライミング・エリア』だとは、言えない。 |
昨年(2007年・秋)顔見知りの若い、奈良のクライマ−に『アプロ−チ敗退』して、再訪後に・やっとル−トに取り付いたが、あの岩場までの『急登』に懲りて?二度と行きませんと、断言されて『海金剛』とかで聞いた 『アプロ−チ敗退』が、この手頃なハイキング・コ−スで、人気のある低山・岩場でも起きるのだと驚かされた。 2008年、現在で記録・公表されている『ル−ト数は20数本』右壁、正面壁、左壁と比較的、各ラインが判別 し易いが、取り付き付近は傾斜が在り決して、安定した確保ポィントではないので、注意は怠りない様に。 ル−ト距離も、20m〜25m範囲が多いのと今風のル−ト設定で、壁中で区切る為にトップロ−プ使用も考慮 して60mロ−プ、もしくは最低でも50m長さのロ−プの使用が、薦められる。 ル−ト上に、明らかな危険な『浮石や剥離が危惧されるフレ−ク』等は、見受けられないがフェ−ス面の一部にやや脆く、不安定な箇所も残されているようなので『落石』にも、注意が必要。クライマ−用の、下降路は特に不安定な状態なので、降雨時・降雨後の、下降には不安ならば『ロ−プ使用』が、無難。一般道が直下なので、落石を起こさない様に注意。この山中でのクライミングは『完全・禁煙エリア』 山頂からのラッペルには、残置用の長いスリングやカラビナの、持参が必要となる。ル−トは正面〜右壁は明らかに密集状態で、混雑時には取り付きがハイカ−も通過する、狭い斜上する『バンド&斜面』なので通行者の邪魔にならないように、配慮する必要も生じそうだ。多分?それほど混雑する事は無いとは思うが・・・ |
ドリリング角度とボルト挿入・角度に問題がありそうだ |
急傾斜のアプロ−チ斜面・途中から見上げた『南中大岩』 |
平日にも地元・警察、車両の巡回バトロ−ル範囲として通行車両あり個人的には『駐車・環境』に、不安が在るので歓迎できる。 |