チタニウム合金製『ロック・ピトン』
チタン合金では無いが70年代に使われていた『ロック・ピトン類』に使用された金属では
珍しいアルミ合金モデル『ドイツ・サレワ社』から、製造されたボング(ボン・ボン)回収時に
ハンマ−で、強く叩き過ぎると本体に、割れが入る欠点があったが、クロモリ合金の標準タイプと比較すれば、非常に軽量に造られていた。
現在(2007年) 日本国内の『登山・専門店』のクライミング・ギア・コ−ナ−に陳列されている製品を見る機会は少なく、使用体験に関しても実際に岩場で積極的に使ったというシヨップ担当者も、まずいない。

一時期は『国産製品』が、クロモリ・タイプと全く同じく珍しく『サイズ別・構成』を整えて、各種サイズを製作・販売していたが、購入者も限定されクロモリ・タイプとの比較では再使用に充分、耐えれる強度も無く。
単に他の市販品と比べて、重量的なメリットしか無いと思われて、購入者が少な過ぎて製造も販売も中止された。

その後、『関東のシヨップ・オリジナル』と、国産品としては少なくなって来た、ギアの製造メ−カ−から数種類の比較的・使い易いタイプの『チタン製ロック・ピトン』が販売されたが、サイズ構成は僅かで軽量素材の利点を最大限に活用できる『ロスト・アロ−・タイプ』や、購入が非常に、困難な『リ−パ−・ゼット型ピトン』タイプは市販されず、使用目的や機能面での『比較・優秀性』を広く、公開・広報、紹介できなかったので
『チヨック』の普及や、『ロック・ピトン』を、使うクライマ−の絶対数の減少も加わって、市販タイプは減少。

(下・資料写真)は、東欧(チェコスロベキア)製造品と、殆ど同一タイプの『チタン・ロック・ピトン』
私は『ソロ・クライミング』時には、クロモリ・ピトンと、必要数量の『チヨック類』と共に、必ず予測数を携帯している必携ギアの一つ。軽量化も計れるが、個人的には緊急時の対応用と、食事時のスプ−ン替わりにも
1本は利用していて、サイズ的に通常『ピトン』構成の合間に、付け加えるのに最適。

『ソロ・クライミング』時の持参・携帯ギアとしての『ロック・ピトン』をチタニウム製に変えると、他のピトン類の重量は重く感じてしまう。ただし『ナイフ・ブレ−ド』サイズは別に持つ。

(左・下)のPA印の単純な長板を細くしたような物は、最近では『パイカ』等から、同種の製品が発売されているが、この写真の物はアメリカ製の同一タイプとは異なっていた。軟鉄よりも、軟らかく変形しやすいアルミ合金を使った『スタッキング・・重ね打ち専用』の『ロック・ピトン』として市販されていた。フランス・ピエ−ル・アラン・モデル。日本での使用例は僅かで、マニアックな現代的な『エイド・クライミング』に精通もしくは興味を持つクライマ−にしか、最近では知られていない特殊ピトン。
私は『ウシュバ・タイプのアングル形状・ピトン』との組み合わせで使用していた。
材質的な特製の、軽量な部分のみが強調されていて、鉄よりも同じ重量ならば強いと『数字の誤魔化し』も通用していたが、『ロック・ピトン』の素材で使うと、意外に石灰岩での利用にも適していて、高硬度のクロモリ製品の同じ厚み・サイズと比較すれば、軟鉄の感覚に近くて、残置・下降アンカ−にも信頼度が高かった。

国産・東京トップ製造『チタン・ブレ−ド』シュィナ−ド・タイプと同じく、数種類のサイズを選択・使用できた。
価格面での努力が進んでいたら、使用者も増加したかも知れない。

ガイド基準で考えれば、緊急時・対応のクライミング・ギアとしては、優秀なギアとして国産品の継続的な製造・販売が続いて欲しかった。
過去、かなりの本数を使用したので、岩場に残して来たものと共に『不思議な現象』パタ−ンで、山から帰って来ると、本数は減っていった。錆・腐食の恐れも無く、数十年、ほって置いてもチタン独特の光沢に、変化は無い。
メンテナンスと改造も、予想よりも簡単で完全・加工で他のギアに付属さす為の『部品』としても利用した。
『ロング・タイプ』の使用頻度は高かったので、コレクションとしては数本しか残っていない。
(下・写真)クライミング用では、ないが珍しい『ステンレス合金』使用の磯釣り確保で、使う『ピトン』当然、錆には強いのでシ−クリフで使う。