Mountaineering & Climbing Boots
2005年から使い始めた私が現在、冬季ガイド業務とアイス・クライミングを中心に愛用している登山靴
アイス・クライミングの使用時に充分な機能目的に満足できて
長い、アプロ−チでの歩行性能にも負担が少ない『冬季使用』
に耐えれるシングル・ブ−ツとして私が、最近・選択使用。

このタイプの新素材の複合利用で造り出された最新の『ブ−ツ』
類は、以前のような保温性を犠牲にする事無く軽量でしながら
耐久・強度を保っていて、比較的ソ−ルも柔軟で歩きやすい。

耐久・強度に関しては、革製品と比較すればアッパーの接合
箇所の素材面の違いや、縫い合わせに若干の不安は残る。
ソ−ルの接合・接着に関しても、まだ改良・発展段階と見られ
構造上の問題や欠点は存在している。
100年以上も継続されて、製作過程や技術が進歩・発展して
来た、これまでの皮製・登山靴から見比べれば、まだ進化系
の『用具』の一つとして、改良・改善が期待できる。

今ある、機能を正しく活用・使用するのが肝心で新しいタイプ
の、これらの『登山靴』の持つ、欠点や問題点だけを注視して
使わないのは、時代遅れの考え方。
試用を経て、個人的に購入して使い始めたのは2005年の冬から。アイス・クライミングで使い始めて翌年の正月山行・ガイド業務と使って、残雪期のガイドで穂高岳・岳沢からの『南稜』ル−ト途中で踵部にインサ−トされていた硬質樹脂のプレ−トが剥離・破損。応急処置で処理して下山。当然、シヨップ返却で新品交換2007年・現在は2足目を使用・継続していたが、4月に同じパタ−ンでソ−ルの張り合わせ箇所が剥がれ出した。今回の破損・状況は前回と違って、両足でミッド・ソ−ルにも不具合が発生。
このケイランドのモデル全部に問題が、存在している思われる。
製作中 09年11月13日 金曜日
2006年10月に注文・購入した『アイス・マスタ−』3年前に購入した、同一ブ−ツの2足目となる愛用品
足型が、合っている。そしてアプロ−チで歩き易く、軽い。幾つか不満な点は、あるが使い勝手は良いのでお気に入り『ブ−ツ』として、この新しい『アイス・マスタ−』を、主にアイスクライミングで使用。
先鋭的なアイスクライミングとアプロ−チを一足で、こなせる様にと工夫されていて、クライミング重視タイプのシングル・ブ−ツの中では、軽量で歩行性能は意外と高くて、人気がある。
実際に履いてみると、フイット感も良くて確かに、歩行性能は高くて快適。
ただし『メ−カ−公表』の、歩行システムとアイスクライミング・モ−ドの切り替え方法は、実際の現場で
簡単に切り替える事は、現実的に考えると、かなり無理がある。多くの利用者は多分?私を含めて一般
に使用しているのは『歩行モ−ド』の靴紐の締め方だと思われる。
かなり長い期間、冬季〜残雪期はプラスチック・Wブ−ツを使用していたが、ポリアミド・プラスチック系のWブ−ツに履き替える、以前には『ドロミテ・マジョ−ル』にシュィナ−ド・モデルの『カ−マン・ゲ−タ−』と呼ばれていた靴底・意外はアッパ−部も、完全カバ−できる保温性に秀でていた特殊『ゲ−タ−』を組み合わせて、長く利用していた。中張りを使い古した薄いウ−ル製の『ビバ−ク・ザック(インナ−・シュラフ)から、切り取った生地を使用して、手縫いで裏面を補強して、市販品の保温性を格段にアップさせて、使用していたので、当時の重い皮製Wブ−ツ(二重靴)を、頻繁に使うことは無かった。

高校生の頃に、国産の偽革のト゜ロミテ・モデルの安価な、登山靴で凍傷・一歩手前の悲惨な体験を負って
いたので、登山靴には最初の頃から随分と神経も使ったが、乏しい資金も無駄に浪費してしまった。
『ノルディカ』の、普及タイプも多くの人達から、薦められて購入して履き潰したが、当時の基準からして、この誰でも履いている有名な、登山靴の何が良かったのか、捨ててた後でも良く理解出来なかった。

残雪期の『北鎌尾根』に行ける、チュャンスがあった時に、軽く歩き易くて、防水性も・・と、欲張って、当時
は珍しかったアッパー部にゴムのプロテクタ−(カバ−)付きで、一種のセミダブル仕様の、フランス製の『ルフオック』を購入して、使用したが軽量でソ−ルの硬さも適度で、履き易かったが革の質が、それほど良くなかったのか、ゴム・カバ−が宣伝ほどには防水機能を果たしていなかったのか、山行中の足先の冷えは相当なものだった。残雪期の穂高だったので、被害も無く、別段こんなものかと思いながら下山したが、この靴で冬山に入ろうとは思えなかった。『アイガ−・ダルベレィ』から、次に履いた『ヘンケ・モンブラン』は、硬く履き成らすのには、随分の六甲の山道と岩場をアイゼンを履いては、歩いた。

雪山。冬の山での防水性と保温性に関しては、シングル・ブ−ツとしては、その後に履いていた、良く似た外観・そして剛性も同じだった『モリト−ル』と、共に非常に優れた革靴だった。最近では『ヘンケやモリト−ル』を超える品質の皮製・登山靴は滅多に見れない。
シングルブ−ツの中では、当時としても画期的な『セミダブル・システム』の、外側の靴紐と内部の、靴紐で2重にアッパ−から固定できて、踵の浮きも最小限に抑えられてクライミングでの効果は、他の登山靴に比べて格段に良かった『レタポア・ドバゾ−』ガリビェ−ルRDが、登場するまでは絶対的な信頼を置いて、長く愛用していた、お気に入りの『登山靴』当時は、裏出し革が主流で殆どのクライミングで使えて、冬季も使用できる登山靴の殆どは、茶色い『裏出し革・製品』ばかりだった頃で、この表革の銀面・黒革の登山靴は珍しいタイプだった。結局、3足を履き続けた。(下・写真)最初に履き始めた1足
2足目に使い出した『レタポア・ドバゾ-』上・写真と全く同じ物だ。ソ−ルを1度、張替えて長く愛用していた
『プラスチック/ポリアミドWブ−ツ』俗に、二重靴
が、本格的にプラスチック系に代わり始めるまでの
期間に、履いていた『二重靴』は、縁があって長く
関係を保っていた(某・国産モデル)シヨップ・関係で
オリジナル商品として、初期に製作された重く、足首
の長くて非常に、歩き難いタイプの物だった。
保温性に関しても、使用されていた『皮』が格別に
吟味された、登山靴・用として良いものでは無かった
ので、シングル革製『ヘンケ』と、比較しても特別に
二重靴だから、暖かく、防水・防寒性能に秀でていた
とは、言えない製品だったので、重量的な欠点も、あり
それほど多くは使用しなかった。
基本的に『カ−マン・ゲイタ−類』ト、シングル・ブ−ツ
の組み合わせが、個人的に理想的だと信じていた頃
なので、国内の厳冬期のクライミングでも二重靴が絶対
に必要だと言う、意見や理論にも、それほど影響を受け
ず、プラスチックWブ−ツに、履き替えるまで革製の国産
二重靴を長く、愛用していた。

東京の『ゴロ−』の高い評判・評価を関東の友人達から
聞き及んでいたが、神戸からオ−ダ−で新しいブ−ツの
注文する機会には恵まれず、少し縁を頼って購入できる
当時の環境から、新大久保のICIオリジナルの二重靴を
長く愛用して来た。特に故・長谷川氏のオリジナル靴と
ICIで、国内初の本格的なガイド指導の『登山学校』を
開講した、故・森田氏のオリジナル・モデルは当時の水準
では最高・傑作品と呼べる二重靴だったと考えている。

使い始めた、きっかけは当時「鉱泉小屋」主人だった方
が愛用していたので、実物を手に出来た事だ。
『軽登山靴/ライト・トレッキング・ブ−ツ』と、呼ばれるカテゴリ−で使われる、軽量で防水性が高く
歩行性能にも、優れている使い易い『マウンテニアリング・ブ−ツ』で、更にクライミング要素が高い
高機能な『ブ−ツ』は、以前には存在していなかった。数少ない、例外的な『トレッキング・ブ−ツ』には
今・現在、広く普及しているタイプに似通った物は、僅かに存在していたが、クライミングに使えるほどの物は、殆ど購入・使用する事は出来なかった。『フランス・ガリビェ−ルRD』が、当時としては唯一、皮製登山靴の中では、比較的クライミング機能が優れていて、ある程度の歩行・性能にも満足いくブ−ツだったが、基本的には重く、歩きやすくは無い『登山靴』の、範疇からは抜け出せなかった。
(下・写真)の『ケイランド・マルチトラクション』は、現代的なアルパィン・クライミングと長期間の歩行にも性能が生かせて、歩き易く、かつ、ある程度までのクライミングでも利用価値が高い、機能的な登山靴と言える。硬雪の斜面にも、対応し。岩場でも安定して使え、歩行機能も優れている、この種のタイプの中では、現在・利用できる数少ない『ライト・タイプ・ブ−ツ』かも知れない。
爪先がクライミング向きに、細く『タイト・フイット』で、歩行性能も悪くは無かったので『登山靴・範囲』の、中では多くの登山者・クライマ−から評価を受けて、一時期は非常に人気が高かった『フランス・ガリビェ−ルRD』RD=は、ルネ・ドメゾンの名を冠した製品名で、『レタポアのドバゾ−』と、共にシャモニ−のプロガイドの名を使った一連の『用具』の流れを、くんだ『クライミング・ブ−ツ』として、一世を風靡した。改良版に、RDの発展・改良品と呼べる『ウォ−カ-』を、含めて私は6足ほど、このガリビェ−ル・ブ−ツを愛用して来た。
先鋭的な『アイスクライミング』の使用に耐えれて、重量的に
特筆している『シングル・ブ−ツ』が、最近では増えて来た。
『専用アイゼン』をソ−ルに完全・固定した軽量ブ−ツの使用
は重量面で最高のパ−フォマンスを、発揮するが防寒性と
足の保護と言う目的では、アイスクライミングの現場で全て
カバ−してくれないので、どの程度まで使用範囲を広げるか
又は、限定するかが選択肢で重要となる。
『シングル・ブ−ツ』で、アイスクライミングのフィ−ルドまで歩
けて、そのアプロ−チでのストレスも軽減してくれる、軽い靴
を求めると、保温性や防水性そして『アイスクライミング』の場
での快適性が損なわれる場合が、増加してしまう場合も多い。

そういった相反する『機能』を、マイナス面とプラス面を充分に
合致させたブ−ツを求めるクライマ−は多い。
歩き易くて、アイゼンの前爪での長時間の立ち込み、前爪の酷使で、負担が大きく、かかる脹脛へのサポ−トに必要な、ある程度の靴底の堅さ、逆に歩行性能の為の柔軟性のバランス。アイスクライミングの現場では雪山で必要とされる『保温性・防水性』も、要求される。
革製の『登山靴』から、最近ではアッパ−素材に合成レザ−やシンセティック&ケプラ−素材の複合・使用も多くなり出し、保温性の確保に中素材として『シンサレ−ト』を使用している靴も多くなって来た。
重く・ブコツな『ウィンタ−・ブ−ツ』の、イメ−ジは徐々に過去のものとなって来たようだ。
『GARMOT/ガルモント』の登山靴は、インソ−ルにファイバ−・フレ−ム(グラス含有)を使用するなどのブ−ツ全体の重量が、比較的他の似た様な他社のモデルと比較しても、軽量化を目指していてシングル・ブ−ツ範囲で日本国内の残雪〜積雪期にも、ある程度の使用が可能な範囲まで、構造的にも信頼でき出した。
『ガルモント』には、ゴアテックス・ライニング・モデルの、一般的なモデルの『マウンテン・ガイドGTX』が、数回のモデル・チェンジで愛用者も多いらしいが、軽量タイプが要望されている現在、このモデルは堅牢・保温性能を重視した結果、片足・重量が約1,050Kg(UK8基準)と、現在のニ−ズ範囲を少しばかり超えている。
3mm厚のヘビ−・スェ−ド・レザ−の磨耗強度は評価できるが、外見上の特筆も無く、少しばかり古いタイプの皮製・登山靴を思い出す。厳冬期タイプと感じれば、評価できるが価格面は性能に比較して、高過ぎる
同じ、価格帯で比較検討して『これを選択する必要性』は、好みだけだ。

この数年『エピック・カ−ボンGTX』と『タワ−GTX』を、私は使用している。
特に、2足目として2004年から履き始めた『エピック・カ−ボンGTX』は、個人的な好みの範囲で愛用。
アッパ−・サイドの補強や、細部のリニュアルで60g〜120g程度の、軽量化をはかって欲しいところだ。
高校生の頃『穂高岳・北鎌尾根』からの、北穂高にて。残雪量が多くて、北穂高・小屋にはベランダも設置されていない。この時に、フランスの『ルフオック』を履いていた。
当時としては珍しい、靴底シャンクに軽量で柔軟な、樹脂プレ−トが使用されていてアッパー部にゴムのカバ−が付けられていた独創的なデザィンの皮製『登山靴』で、人目を引いた。
防水性が特別、良かった訳でもなく、特別・保温性が良かった訳でもない『登山靴』だったが、当時70年代の『シングル・ブ−ツ』としては、格別『軽量』であり、アッパー部の特性ゴム・カバ−は靴紐とは違った簡易タイプの着脱が容易で、この頃に初めて『セミダブル』と呼ばれるタイプの『登山靴』を知った。ゴム・カバ−の下に、更に靴紐で爪先から、締め上げられるので見かけよりも踵の固定力は働いて、浮きが押さえられていてアイゼン歩行でのフイット感覚は良かったと記憶している。何より、靴自体が軽いというのが最大の利点では在った。問題は、アッパ−部分を、完全に覆う『ゴム』の、素材特性が少しばかり耐久郷土が弱く、靴の保護・防水に使用する『保革クリ−ム』と相性が悪くて、ゴムが溶け出す点が問題点だった。

   (下・写真)残雪期の『槍ヶ岳・北鎌尾根から穂高岳・稜線へ継続』北穂高岳・小屋にて撮影
この時に『ルフック』を履いていた。靴革の防水性能は悪く、早朝などは足先が冷たかった事を記憶している。テントの中で、早朝に靴を履く時に他の靴型よりも履き易いという利点はあった。
シャンクが当時としては、珍しかった『白い樹脂タイプ』で、比較的・靴底のシナリは柔らかく、歩行に適しているが、アイゼン使用で当時のバンド締め・固定方法で幾分かは緩みが生じる心配は残っていたが、特別の支障や危険を感じた事は無かった。
ケイランド社・製品の、このタイプ登山靴は欠陥商品なので、人には薦められない。要・注意品です
2007年5月、さすがに2足目の破損となると笑って入られない。メ−カ−・輸入元・会社共に事の重大性を
認識して、適切な対応を早急に図る責任があるだろう。涸沢小屋にて、緊急修理して2週間ガイド業務期間
に耐えさして、下山。今回は、同じ製品との交換は、お断り。シヨップからは、スカルパのクンブレを提供と提案されているが・・・・
『ヘンケ・モンブラン』や、同種類の『モリト−ル』を知る登山者やクライマ−も、本当に少なくなった。
個人的には『ヘンケ・モンブラン』の黒の表革の、ブコツだが堅牢・頑丈な登山靴を私は最も信頼していた。冬季の本格的な山行から、クライミングまで、この黒のヘンケを長く使い続けた。
これらの愛用していたシングル・ブ−ツは震災時・震災後の自宅からの避難と帰宅後の室内・室外工事・期間中の混乱期に、若い仲間に譲ったり、いつのまにかゴタゴタの最中に私の手元から消えていってしまった。
裏出し革・全盛期の頃だったが、個人的にはレタポアの『ドバゾ−/セミダブル・タイプ』に『ヘンケ・ブラック』『モリト−ル』と愛用していたシングル・ブ−ツは表革品の登山靴ばかりだった。例外は最も初期に履いていた『ノルディカ』や『ドロミテのマジョ−ル』この2つのシングル・ブ−ツぐらいだ。
冬季にも使える『シングル・ブ−ツ』の、復権に大きく寄与したのはスキ−・ブ−ツの方で知られていた『サロモン社』が出した、当時としては意外とスタイリッシュな外観を持つ『靴』だった。
70年代の最初の渡欧時には、氷河に対応出来る登山靴を持てなかった。次ぎの機会には時代を反映して、重く扱い難いむWブ−ツを使用していた。そして、徐々に軽量化が進みアイスクライミングにも使い易く、歩行性能も向上した各種・ブ−ツが使用できるようになっていった。
初期のシングル・ブ−ツと比較すれば、80年代の後半から利用し出した最新の高機能シングル・ブ−ツの使用は活動の舞台を押し広げてくれた。
高校1年の春から『登山用具・専門店』で、半ば住み込みバイトで働いていたので、登山靴の移り変わりや進歩を身近に感じ、そして性能の比較などにも興味を持って学習する機会に恵まれていた。『ヘンケ』に憧れて、バイトで貯めた最初の購入資金は『レビュファ−の羽毛シュラフ』と、当然『裏出し皮のヘンケ』を手にした。
当時の、うれしさを表現する術はない。

(下・写真が1973年)当時の登山靴には、まだプラスチック・ポリアミド系のWブ−ツは見えない。プロト・タイプや見本品の様な物は、当時から関西の店にも届いていたが、実際に使用している登山者は殆ど存在しなかった頃だ。偽物の人工皮の国産『ドロミテ・モデル』の登山靴から、本物に履き替えた頃の記憶は懐かしい。