HEXENTRIC CHOKS for cracks from finger to fist 『カリフォルニア発祥(病)精神分裂症・的、遍心チヨックス愛好者 |
一般的なナイロン・スリングよりも吸水性が低く、強度的には格段 に優れた『スペクトラ・ダィニ−マ−素材』をチヨックに使える様に なったので、チヨック自体と接する『穴部』との、強度低下を過度に 恐れなくなった様で、スリング保護を目的としたプロテクト方法を 利用しているクライマ−は、現在では殆ど岩場で目にしなくなった。 まず、これらの『チヨック』自体を持ち歩いている、クライマ−が限り なく少ないのだから、当然だが旧態依然・ナイロン・ロ−プ・スリング の6mm程度で連結して使用している、安全性に無頓着なのか 用具に対する安全意識や正しく、使う為の知識や技術に興味を 持たないのか、そういったクライマ−は現在でも多い。 (右・写真)のスリング保護プロテクトは、何も専用品が用具として 山の店で販売されている訳ではない。ちよっと工夫し、街中を見回 せば熱帯魚・関係からホ−ム・センタ−の片隅でも使える種類の 物を見つけられるはずだ。私は大阪・梅田や神戸・三宮の若者で 賑わっている『ロフト』で各種カラフルなビニ−ル・チュ−ブを購入 して来て、適当に使うチヨックに合わせてカットして使っている。 メ−タ−辺りの価格など安価なものだ。 古い手持ちのチヨックの付属スリングを替えるのならば、御薦めは 少し価格が高くなっても『現代風の最新素材』物を利用した方が 良いのは当然。 |
1970年代のアメリカ・カリフォルニア・ヨセミテの花崗岩で使われ始めて、またたくまに世界中の岩壁で フリ−クライミング・エイドクライミング双方で、クライマ−の命を守り続けて来た。 現代では最もトラッド・スタイルでのフリ−クライミングでの基本用具として知られているが、日本国内での販売数量と使用者・数は不思議なほどに比例していない、部屋の飾りや週納品・コレクション・ギアの代表格と揶揄される意味でも代表格な用具。 基本的に機械式の『カム・ディバイス』登場・以前から、各国で実際の岩場ル−トで使用されて来た用具なので、一つのル−トを完全にヘキセントリックとストッパ−類だけで、完登出来たが、最近ではカム・ディバイスの補助・軽量化を目的に岩場に持参するクライマ−が多い。 スタイル的には、祖先帰りの様にカム・ディバイス類の使用を拒否して、ヘキセントリックに代表される単純なチヨック類だけでル−トを完登する事を一つの目的として『挑戦・課題』と表現するクライマ−も存在するが、基本的に30年〜40年も前に、そういったスタイル的な部分が当然だった事を思い返せば、新たに違った意識・新たな視線・発想の『スタイル』と主張するのは、本質的な部分で何かが欠けている。 |
頭を使って登る。遍心形状を理解して、力学的に最も効率良く・かつ安全に使用できるセッティングを学ぶ。 |
初期の肉厚のアルミ合金ヘキセントリックは数度のマイナ−チエンジを経て、金属部も薄くなり軽量化を計る為に穴が空けられ、細部のデザインにも工夫が施されて、使い勝手は飛躍的に向上した。 |
『ヘキセントリック』発売後から、数多くの模倣品や類似品が多数・出回った。中には、強度そのものやデザィン状の有効性に疑問を感じるタイプも出現したが、殆どの類似品は淘汰され消え失せた。 |
同一サイズ範囲ならば『ヘキセントリック』に、とって換わるのではないかと評価と期待を持たれていたが初期・登場の市販品から、更なる改良・進化系の『チヨック』として発展しなかった『カムロック』 |
オリジナル・モデルの『ヘキセントリック』に、カ−ブド・ナッツ(ウエッジ・タイプ)の利点部分を加えて 改良された、曲線構造を採用した新しいタイプの『ヘキセントリック』アィディア的には70年代の後半から80年代にジェフ・ロウや英国のクロッグ社アドバイザ−のモ−ガン・フリップ等のクライマ−が基本形のデザィンを公表している。製品としての完成度が高いのは、本家本元の(BD)と最近の『メトリウス』製品。構造的に固いワイヤ−を使用している部分に、まだ改善の余地は残っています。 |
私が所有する80年代・前半期の欧州メ−カ− カタログ類にも、カ−ブ面を採用したヘキセン タイプのチヨックが、幾つか紹介されていて製品 として発売もされていたようだが、このタイプの チヨックを我国で目にし出したのは、最近の事だ。 チヨック同士を組み合わせる・重ね合わせてサイズ 範囲を拡張・広げる目的の技術は、ウエッジ・チヨック での『テクニック』とは、少し考え方・使用目的が違い、 一般的には『スタッキング』と呼ばれて ごく一部のクライマ−が、攻略が困難だったワイド系 のクラック・クライミングで積極的に使用していたが 普通のレベルのクライマ−は、この種の経験と豊富な 実践体験でしか安全を保障できない、この技術を使う 事は殆ど無くて、大抵は・より簡単で便利な買える 安全用具『フレンズ』等の使用を選んでいた。 『不等変6角形』の基本形に大きな変化は無いが 一時期『シモン』からは、7角形タイプのプロテクション ギアも市販されていて、スタッキング・システムを断面 に付けられていた、凹凸により確実に組み合わせられ るデザインも組み込まれて、製品化・市販されていたが 日本国内に入荷していたかは判らない。 このタイプのチヨックはサイズ構成としては極少から フィンガ−サイズの最も、小型の物はストッパ−類と 比較して、実際の現場での必要性と利用範囲は少なく 主に、アングル・ピトンが使える程度のクラック・サイズ からの利用が扱い易い。 フィスト・サイズを含めて中型・以上からのサイズには 柔軟なワイヤ−付属品も使い勝手が、特別に悪くなる 傾向は少ないが、小型タイプ(サイズ)に関しては付属 されたワイヤ−の弾性が強過ぎると、クラック内部での チヨックの安定を疎外する場合も、在り得て特に単純な ボトミングとは異なる、カム効果を期待した『角度面』を 捻るような使い方には構造上の無理が起こりやすいの 注意して使用する必要がある。 この『ワイヤ−の復元力・弾性』の問題で、ロストアロ− タイプの厚刃ピトン・サイズに使える『ヘキセントリック』 タイプやカムロック類の、小型チヨックの使用方法には 熟練を要するので、スリ−カム・タイプのスプリング・カム ディバイスの使用に助けを求めるクライマ−が多い。 |
不等辺6角形・ヘキセントリック |
『チヨックの歴史』で、必ず説明しなければ、ならないスコットランド・ペックのワイヤ−・チヨック。 |
既成・用具、市販品は全て何かしらの改造を施していた。初期の『チヨック』には、軽量化を計る為の『穴』や、カム効果を充分に発揮さす為の、刻み、等が不足していたからだ。世界初の製造チヨックとでも、呼べる硬質・樹脂の『ブロック・ハ−ケン』と、呼ばれていた単純な『台形チヨック』も、今となっては貴重品。(こんな危ない、道具を使って・・)と、剣で怒られたのは40年前の出来事。 |
『シュィナ−とトム・フロスト』が考案して、世界で最初に『六角形ナット』をモデルとして、機械生産で各種クラックのサイズに適合する『遍心チヨック・ヘキセン・トリック』を造り上げた。この『ヘキセン』に、更に一面を追加して機能的な『チヨック』を造ったのが、フランス・シモン社でスタッキング機能も付け加えていて、一時期・私は愛用していた。サイズ構成に不足があり、普及した『チヨック』とは言えない。 |
単純な『マシ−ン・ナット』の、形状を細長く・しただけに見える最も初期の英国『クロッグ社のチヨック』は発売当時から、ワイヤ−・タイプに重点を置いていた。現在の様な、柔軟で細い「ワイヤ−」では、なくて重く太い、扱い難い「ワイヤ−」だったが『チヨック・サイズ』から、考えれば強度的な問題は、この初期タイプから、ほぼ解決されていた。 |
(下・写真)上段の「赤いテ−プ・スリング」に、取り付けた本物の『マシ−ン・ナット』は、サウス・イングランドの岩場で実際の「サンド・スト−ン・クライミング」で、私が使っていた物の一つ。唯一、帰国時に持ち帰っていた。(右端)今なら、とても信じられない2mmのスリングを使う設計の、SMCの製造・マイクロ・チヨック。ワイヤ−の使用が、当たり前のサイズで、何故こんなに細いスリング用の「チヨック」が、製造・販売されていたのか不思議だ。現在なら「キ−・ホルダ−のアクセサリ−」ぐらいにしか、使えない。 |
『シュィナ−ド・オリジナル・ヘキセントリック』の製造方法 |
ボルト・ナットを単純に長く成型した様に見える、初期の単純な形状の『六角形チヨック』から、アングルサイドウォ−ルの『ヘキセントリック』を見比べると、どうしても製造過程や、素材面での情報が知りたくなった。 クライマ−雀達は、様々な噂や断片情報を岩場下や会合・場所の喫茶店で延々と、喋っていたが、私には信憑性・信頼性に乏しい『怪しい情報』ばかりであった。『イワユキ』も『ジャ−ナル』も、販売店・キ−プのカタログ・ファイルも興味を満たすだけの『情報』は、明記されていなかったが1988年の2冊に分けられた、親切丁寧な『解説マニユアル』だけは、別格・情報でした。英文カラ−・カタログに付属した、写真抜きの和訳・解説冊子は不明な部分を、詳しく説明していて、非常に有益な情報源として利用できます。 『ヘキセントリックは、どうやって作られるか』 以下は冊子より転載。 ヘキセントリックの製造方法は、まず6061−T6アルミ合金のストックを816℃まで加熱し、打ち抜き型に通してチュ−ブ状にします。このままだと打ち抜き型の周囲と芯型をつなぐブリッジの部分だけあいているので、この部分を慎重に溶接します。溶接後、所定の長さにカットし、スリングを通す穴をあけ、バリ取り機にかけます。そして1個ずつ『シュィナ−ド・マ−ク』と、サイズナンバ−を刻印しますが、これは品質チェックを兼ねています |
一時期だけ、クライマ−に真剣に考えられた『ヘキセン・トリック』に代表されるチヨック類に、後付けで結んで使用される『スリング』の最新・素材として『ケブラ−』が取り上げられたが、最近では忘れられている感がある。 各種クライミング・ギアの『アクセサリ−・コ−ド』としての価値は高い。 |
アメリカの(旧シュィナ−ド社)が、自社の製造するチヨック類との使用を強く薦めていた『ケブラ−・コ−ド』はアメリカの『デュポン社』が、開発した特殊な『繊維』で、科学的な特性は『ナイロン』と似通ってはいるが、性能・特性は全く異なる『アラミド繊維』であり、これまでなら『スチ−ル・ワイヤ−』を使用しなければ利用が不可能だった、光りファイバ−・ケ−ブルの外被や海底ケ−ブル等の、過酷な環境下での使用が進み出した、次世代『繊維』の、筆頭格と呼ばれる素材だ。『ケブラ−・コ−ド』は、高強度でクライミングで使用するのに最も安心出来る素材なのだが、ナイロン等に比べると柔軟性に劣り、高価格だ。それでもナイフで切断する事さえ、困難なほどに丈夫で、低温劣化の恐れも無くて『岩と絶えず、こすれる箇所』や、長時間の岩場での設置が必要な、フイックス・ロ−プの固定部分や、トップロ−プのセット時の延長用ランナ−等の、利用には最適。 こういった優秀で『安全な特性』を有している用具なのだが、最近・クライミング現場で使用者を見ないのは残念。流通経路も、僅かで入手できる場も少ないように見える。 |