Crack Climbing Skills
Crack Gear ( Protection・cam)
クラックでのフリ−クライミングの可能性を、飛躍的に広げた機械的な『カム・ディバィス』として
世界中で使用され、評価を得た最も初期の『フレンズ』と呼ばれる用具。特許論争は知られて
いないが、一般的には英国メ−カ−に、特許を売却したレイ・ジャ−ダィンの発明として知られている。反論者の意見には信憑性を感じるのは、私だけ?クライミングの世界にも、怪しい部分は存在
1970年代に登場した、最も初期の『T型チヨック』を、自分なりにカム効果を増大さす為に改造した英国トロ−ル社・製品。一定のカム効果を生み出す為に、単純な角面を丸く削り出して、カム部との岩肌の接触面の摩擦を増やす為に、刻み目を加えてある。スリングの取り付け位置も通常の2穴から、一つとして最大限のカム効果が得られるように工夫していた。国内に入荷していた、当時の『T型』の、代表はアメリカ・フォ−レスト社・製品で、あまり使用者も増えず、各地域のシヨップで最終的には安売りされていたタイプだ。

『カム効果』は、先に述べたように起源的には、かなり古い時代の古典派と呼べるクライマ−により効果や原理は理解されていたが、その効果を実際のクライミング現場で有効に活用するまでに、チヨック類の有効性や意義・意味が当時のクライマ−には理解されず、機械的な構造・以前の単純な曲線カムへの進展も器具として製作すべき素材も、それほど選べなかったのだと私は想像している。1920年代にも似通った工夫
アイディアは岩場で実際に使用されていたが、そのアイディアは製品化されなかった。
日本国内では、各種ナット(チヨック)類が使用され出したのも、欧米から遅れた時代背景もあって、独自に
カム効果を有した『製品・用具』が登場するのは、かなり後の事だった。そういった時代の中で、唯一と思えるのは『岩と雪・91号』ナッツのすべて・と特集された紙面の中に自作ナッツとフレンズ回収器具を紹介した
『八木厚紀・氏』で、フレンズの4枚のカム部から1枚を抜き取ったような形状の曲線カムを紙面に写真・提示していた事だろう。カム効果を生み出す、基本原理は当時でも一部のクライマ−に理解されていたし、自作製作が可能な人達は、この頃から(1978年〜)幾つかの試作品と呼べる器具を作り出していた。

単純な『木片』をクラックに挟み込み、捻る工夫から発展したカム構造はアルミ素材や加工が容易で、必要な強度を導き出せる金属類が使用可能になって、幾つものタイプが出現した。その中での最大の成功例が
『フレンズ』であり、後継器具として更に使いやすくなったBD社の『キヤメロット』なのだが、バネ構造で扱い
方が飛躍的に向上した、この種類の『機械的カム・チヨック』は、本来の原初的なクラックとクライマ−の関係を一変させて、スタイル面と限界・登れる範囲の水準を押し上げながらも、何かを失わせる結果を生んだ
『木片』に穴を空けて、クラック内部で一片を垂直方向に加重して『カム効果』を生み出して支点とするアイディアが生まれてから、機械的にバネ機構で自動的にクラック内で広がりカムが固定される器具が登場するまでに、各種チヨック(ナッツ)類では台形タイプからヘキセン・タイプの多面形状のチヨックによるカム効果を生み出す為に、かなり多くの試作・用具が生み出された。代表的な(旧)シュィナ−ドのヘキセントリックからシモンの更に一角・増加させた変形エキセン・トリックまで、古典的なボトミング効果から、様々なカム効果を期待した製品が世に出たが『トライ・カム』以後に、充分にクライマ−側が価値を認めた『用具』は、意外な程に少ない。例外的にワイド・クラックでのプロテクション考が話題となった時期のみに代表的だった『チュ−ブ・タイプ』では、補えない部分を補える各種・大型のチヨック類としてビ−ム・チヨックや旧型から少し、改良が進んだ『T型タイプ』のチヨックが陽の目を見たが広く普及する事無く、一部マニアックなクライマ−の改造品や自作品に注目が集まっただけで、いつしか話題としても、取り上げられる事も無くなった。
世界初と言われている機械的なカム器具『フレンズ』の発明者として、その名がクライマ−に広く知られている『レイ・ジャ−デ゜ィン(ダィン)』は、ヨセミテのフリ−・クライミング・ルネッサンス時期にノ−ズでの完全フリ−攻略を最も真剣に求め、活動を開始したクライマ−で、カリフォルニアニア在住のシステム・エンジニアという自身の立場と環境を、そのクライミングに強く反映した人物として知られている。
濃い顎鬚にボサボサの頭髪、学者や哲学者を連想さす角縁の眼鏡、当時のバ−リ−ボイズ特有の白い綿パンにスワミベルトとEBのスタイルを写真で知る、日本人クライマ−も多く、『フレンズ』の特許販売による当時のクライマ−としては、珍しい裕福な人生などは、一種の伝説。

しかし、フリ−クライミングの限界を打ち破った、画期的な『プロテクションの発明者』そして、実際の使用者としての評価とは別に、彼自身のフリ−に対する,情熱とは全く逆の、クライミング・スタイルに関する他の同時期のクライマ−からの批判も多く聞く、特異な人物としても知られている。
同時期に活動していた、誰よりも早く5・12レベルのクラック攻略から、いち早く上の段階5・13の「フェニックス」の初登を成し遂げて『クラック』に、関してのエキスパ−トとしての評価を受ける反面、その当時のカリフォルニア・スタイル(トラッド派)が、断固・拒否していた困難な箇所で難度もロ−プに、ぶら下がり課題の解決を安全かつ早く達成する、俗に『ハングドッキング』を、他者からの批判を無視して、いち早く採用したり、当時のクライマ−社会が、暗黙の了解で守り続けていた『フリ−クライミングにおける、規律・スタイル』を、否定した。1981年に彼がノ−ズで行なった困難なセクションで『タガネとハンマ−』を利用した、今で言うところのチッピング・ホ−ルドでの前進は、批判と非難の洪水の的となり、彼自身のクライミング人生も終える結果となったと伝えられていて、目的の為の手段の正当性・問題の諸端として広く、認識される出来事として示唆に富む(個人的にはフレンズの特許・論争)で、疑わしい部分を感じる。
3カムの利点や有効性が再認識されて、最近BD社からも
新しいタイプの用具が開発。発売された。
オリジナル・ギアも同じく2004〜2005年に細部の改良と
軽量化を目的に、リニュアル。(2006年度・販売)

逆に、長年・英国で作られていた同一タイプは競合出来な
かったのか製造・販売共に停止した。
パクリ・モノが見られる韓国製品にも、この種類のギアが
幾つか見受けられるが、強度面の不安もあって使用者を
多く見る事は無い。

フィンガ−・サイズで最も効力・性能を発揮するタイプなので
直接的なエイド・クライミングでも愛用者は多く、エイリアンと
共に、軽量化を目的とするクライマ−からの評価が高い。

3点(3枚)のカム板が、それぞれ個別に動いてクラック内部
で、しっかりと固定力を発揮するタイプなので『フレンズ』等の
4枚カム構造とは違って、奥の浅く不規則な形状の割れ目
やピトン・スカ−にも設置することが出来、応用範囲は広く
積極的なエイド・クライミングで体重を預ける『支点』としての
利用にも適している。

3点の加重ポィントで、強く安定した固定力を発揮するタイプ
は、意外と少なく。以前にはメカニカル・スタッキング・タイプ
の1点のみがスプリング・アクションで動き、固定部分の1点
は動かない、比較的・構造が簡単な『用具』も各社から数多
く発売されていたが、セッティングが片手で行なえても、いざ
回収時には、なかなか片手での操作が難しく、衝撃加重・後
の回収が非常に困難なタイプが多かった事も、一つの理由
かも知れ無いが、利用者は増えなかった。
以前ならばCRCやシリコン潤滑スプレ−類しか選択肢が無かったカム類
特に、キャメロットやエイリアン等のメンテナンスに最適な専用品。
クリ−ニングとメンテナンスと言う、必要な二つの目的に使用して機能を
保護して、耐久強度も保つ。
全ての製造側・メ−カ−が破損した部品の交換が可能な訳ではなく価格
も決して、安価ではない『カム・ディバイス』類では使用者の使い方と共に
使用後の正しいメンテナンスは重要。
必ずしも、この(右・写真)のメ−カ−推薦品を購入しなければメンテナンスが
行なえないと言う訳では無いが、純正品は使い易く手入れの作業は楽だ。
耐触・防護用には、適したスプレ−製品が市販されている。
現在のフリ−クライミングで最も『フェア−なスタイル』で、効果的なプロテクションとして使えてサイズ構成にも
ワイド・クラック範囲での使用も可能な『プロテクション・ギア』として、一部のクライマ−には圧倒的な信奉者と
使用者が存在する『トライカム』以外で、一定のカム機能を単純な形状の中に秘めて、実用的だと考えられている数少ない『カム・チヨック』としては(下・写真)の独製・サレワ社から販売されている変形T型チョックや国内にあまり入荷しない、欧州メ−カ−品ぐらいしか現実には使えない。
現在『古典的』とも見られている(旧)シュィナ−ド製品のヘキセン・トリックでさえ、実は機能面にカム効果を
充分に内包していたが、単純なボトミング等の誰でもか比較的・簡単に使用出来たチヨック技術とは違って
ある程度の知識と経験・技術が要求された、使い方を正しく発揮出来なかったので、ヘキセントリック類は更に改良されて、現在では各面に曲線を採用した、以前よりも扱いやすい形状のモデルに人気が移った。

(旧)シュィナ−ド製品の『ヘキセントリック』普及後に、よりカム効果を増大させて一つのサイズで大きなサイズ幅を持つチヨックのアィディアが続々と登場した。それらの中で、一定の評価を得たのがアメリカSMC製のカムロックで、同時期に生み出された同じ様なカム・チヨックの中ではサイズ構成も豊富で使い易い用具だったが愛用者と呼べる層を獲得して、標準ギアと呼ばれるほどの地位は得られなかった。
英国のワイルドカントリ−社・製品の『フレンズ』が一時代を築いていた頃に
突如として出現した、更なるクラック・クライミング専用の最新用具『エイリアン』
の登場は、当時の『フレンズ』だけでは完全にカバ−しきれなかった細いサイズ
のクラック攻略に福音をもたらしたと言える。
ステムが柔軟なワイヤ−構造で、一体式バ−・ステムが基本だった『フレンズ』
と比較して、ホリゾンタル・クラック(水平)での、使用にも積極的に使える点と
カムヘッド自体が最少の『幅サイズ』で、充分に安定したセッティングが可能だった
事に加えて、構造上・同時代に使用されていた、どのタイプのカム器具よりも軽く
コンパクトな設計で軽量であった事が、人気を得る理由だった。
『フレンズ』にしても、同じ様に柔軟なステム構造を採用したフレキシブル・フレンズ
を発売していても、軽さと言う利点とカム・ヘッドの幅に関してはエイリアンの利点
に及ばず、その後は他の開発・改良が進み出した各社が販売し出した後継・器具
を凌駕する『最新モデル』を市販していない。

(右・図)の様に、『エイリアン』は改良を進めていてフレア−ド・クラックでの安定を
高めた『ハイブリッド・タイプ』を発売。特に、微妙なエイド・クライミングでの使用者
に待たれていた機能性が高く、評価されている。現在、このタイプはエイリアンの
最新機能として、他の追随を許してはいない。
Hibrid Ailian/CCH
(ハイブリッド・エイリアン)
イボン・シュィナ−ドが発案・製作し自身の名を冠したメ−カ−
から発売を開始した『ヘキセントリック』は、改良が加えられて
素材の変更や、より薄く軽く使い易い形状へと進化していった。

この『ヘキセントリック』を模倣した用具は、数多く。
基本形は同じでも角面に工夫を凝らした改良タイプは独・伊
更に英国でも登場して、中には使えない物も現れた。
オリジナルの形状とは異なるタイプの中で、今現在に意味が
残っているタイプはクロッグ社の曲面を採用した五角形タイプ
や、スタッキング性能と共に機能面で、工夫を凝らしたフランス
のシモン社・製品などで他の数多く出ては消えていった模倣品
の多くは、日本国内で目にする機会も殆ど無かったようだ。

マシ−ン・ナットを起源する『ヘキセントリック』を眺めていると
変形したとは言え、最も初期の基本形となる締め付けナットを
想像するのは容易い。
ロ−プ・スリングに幾つかの、異なるサイズのマシ−ン・ナットを
さながら数珠の様に通し、並べて使い始めた六甲山の小さな
岩場から、氷河を眼下に目前のクラックに最新用具としての
これらナッツを、挟み込む短い時間に、よぎる記憶。

小石に巻き付けたスリングをギュ−と、締めて祈っていた
英国の超保守派が守る岩場での記憶も含めて、これらの用具
への愛着は『フレンズやキヤメロット』とは全く,異なる感触を
私に想い起こさせる。不思議な用具達だ

原形モデルとしての『ヘキセントリック』には幾つかの伝説的な
逸話や話題が多い。制作過程でのトム・フロストの参加や開発
当時のクリ−ン・クライミング思想とヒッピ−文化やカリフォルニア
土壌のアウトドア文化との『用具』関係などは、非常に面白い。
通説では1971年にシュイナ−ドとフロストが共同で現在の5角形
ヘキセン・トリック(遍心)を発案して1974年にオリジナル・モデル
が世に出た。この基本は英国のクライマ−達がマシ−ン・ナットを
使い始めてから、器械ナットの形状を遍心させる事によって岩場
で遭遇する、クラックで充分な利用価値を生み出す用具として
ナッツ(チヨック)を誕生させた、経緯にこそフリ−クライミングとも
クリ−ンクライミングとも称される、当時のアメリカのクライマ−が
指示したム−ブメントを支え、象徴的な用具としても知られる。
スライダ−やボ−ル・ナッツ等の並行スライド・カムとでも呼べば良いような、独特の器械構造を有した細い
サイズのクラックに対応出来る『用具』は、これまでに幾つも登場して来たが、多くのクライマ−は、それらの
システムを採用した『用具』を、あまり頼りにしていないように見受けられる。実際、使用者の絶対数も少なく
それ程、多く発売されている『用具』とも言えない。

特殊な目的・箇所の攻略や必要性に迫られたクライマ−は、今現在でも特殊な『スライダ−・タイプ』の用具
を積極的に使用しているが、同一サイズのクラックで使うならば俗に『スリ−・カム』と呼ばれる見慣れた形状の『用具』を利用するクライマ−の方が断然・多い。
ステムの柔軟性・可動域の大きさが選択の
重要な要素である点は、忘れてはならない。
1本のロ−プ・スリングを利用して初期のウエッジ・タイプ
をサイズを変えて2個・使用して簡単な方法でクラック内
でスタッキングの原理を利用して、単純な技術で支点利用
する方法は、チヨックの技術としては『機械式用具』の筆頭
『スライダ−』が、登場するまでにクラック・クライマ−ならば
誰でもが知っている、基本テクニックの一つ。

アメリカから『スライダ−』が、登場すると似通ったシステム
機能を求めた、このタイプの用具が幾つも出回った。

カム方式・全盛の中で『スタッキング方式』を採用した物は
あまり普及しなかったが、同時・進行形で祖先がえりタイプ
とでも呼べる、カム方式を使用した製品も登場していた。
『アミ−ゴ』や『ビボ−』『韓国製品』に、日本国内でも個人
レベルで幾つもの、試作品や市販品が出ては消えて行き
それらの多くはカタログ写真・以外で実際の岩場やル−ト
で目にする機会も無かった『物』も多い。

独製『SALEWA=SLIDER』等は、恥かしいほどに元祖の
『スライダ−』に酷似した製品だったが、オリジナル程には
基本の性能に信頼が寄せられなかった。

2006年、現在で日本国内で、これらのスタッキング方式を
スプリング・アクションで自動的に作用させる用具類を目に
する機会は非常に少ないが、韓国製品には幾つか注目に
値する『改良タイプ』が見受けられるのは、面白い。

欧州メ−カ−にも幾つかの類似品が見られるが、それらの
用具が日本で販売される事は、非常に稀だ。

選択範囲は、徐々に狭まり出して以前の様に、何を買うか
でクライマ−は、あまり悩まなくて済む様になっている。
対価格・評価と性能を理解していれば、市販されている中
から、自分が何を使えるかと、使いたいかの判断は容易。

一度、多種類の「似通った用具」を同時・同一場所で比較
しながら使えば、理解は早い。講習などの依頼の時に担当
講師やガイドに希望すれば良いでしょう。
どのタイプを、サイズは何番を幾つ購入するべきかは、いつも悩みの種だが目標や目的の『課題』に必要な個数と共に、自分の利用目的に合致したタイプを選ぶのが誰にとっても良い方法だろう。
二つのウエッジ・チヨックを重ね合わせて使用する事を俗に『スタッキング』と呼ぶが、クラックにセットする
場合と回収時には柔らかいロ−プ・スリングを介した二つのチョックの回収が、どうしても片手では困難で
セット時の、煩わしさから使用しない・使用できなかったクライマ−は多い。そういった欠点を解決したのが
『機械的・並行スライド・ウエッジ・チヨック=スライダ−』で、素早く利用できるという利点と、平行なクラック
特に『フレンズ』類の、4カムでは効かし難いフィンガ−・サイズで利用価値が高く、一時・愛用者は増えた。
このスプリング仕掛けのチヨック(スライダ−)は、メトリウス・マウンテン・プロダクツの製造で、考案者は
『ダグ・フィリップ』1980年代・前半期に日本にも入荷していたが、最近は使用者を見る事は少ない。

フレキシブル・フレンズの小型化から、トリプルやマイクロメイトと各社から、小さなサイズ『クラック』に使える
様々な、新しいタイプの『カム』が登場し出したのが80年代の後半時期で、フランス・ニュ−アルプ社の
『ピカム/BICAM』も、その頃の面白い構造を持った用具だった。『ベント・ゲ−ト/くの字ゲ−ト』等の
当時としては、斬新でユニ−クなクライミング・ギアを製造していたメ−カ−で、下降器具にも良い物を
製造していた。このニュ−アルプの『ピカム』は、カムとの接合ワイヤ−部分を合金チュ−ブで補強していて
少し、硬質的な感触で素早く、細いクラックに押し込める利点はあったが、サイズは2種類しかなくて日本
では、多くのクライマ−が利用する場面は見受けなかった。
『カム・チヨック』の初期モデルに近く、単純な構造で軽量化の目的には適していたがクラックへのセット
に不安定さが残り、スプリング効果をワイヤ−で補うデザインは失敗していたと思われる。
このタイプをヒント・見本としてカム・チヨックを自作したクライマ−は多く、私も幾つかの試作品を作ったが実際に、本格的な岩場で積極的に使用する機会には、恵まれなかった。
ワイルドカントリ−社やBDから、ワイド・クラックでも使える大きなサイズのカム・ディバイスが発売されるまでの期間は、そういった規格外サイズに関しては『韓国製品』の、お世話になっていた。現在でも、以前よりも工業製品的で、ある程度は信頼に足る『プロテクション・ギア』を、韓国は提供してくれる。
カム・ディバスの基本・サイクロイド曲線に幾分
歪みを見て取れようと、ステムが僅かに湾曲して
いても、スリング取り付けの『穴』の面取りが不充分
デモ、20数年前には購入・使用者の私や仲間達は
大きな不平や不満を大きな声では叫ばなかった。

価格が破格に安価。
そして、墜落衝撃は材質的にステムも曲がって
吸収する利点や、他の人は持っている事が殆ど無い
コレクタ−心理の優越感・なども手伝って、意外と
関西範囲・私達には持っているクライマ−が多かった

2006年『最新・製品』は、古い韓国のバッタモン感覚
欧米の完全コピ−製品のイメ−ジを拭い去る、中々に
オリジナル的な、完成品として再び使えそうな予感を
抱いた。ソウル・オリンピック以降の物価の上昇や
クライミング用具の製造・精度の向上で価格は以前
の様に『安価』だとは言い難く、なって来ているが日本
国内では、目にしない面白い用具を選ぶ楽しさは
まだ残っていて、お買い得品に巡り合えるチャンスも
楽しい。

今に工業化が進み、遊びも民主国なみとなり国民の
生活も今よりも格段に、向上した『ベトナム製品』や
ブルネイ在住クライマ−考案のカムが市場に出回る
かも知れない。その前に温暖化の進行を、遅れさせ
られたらの話しだが。
3カムの最新モデルは「キヤメロット」で、この種のギアで「フレンズ」を抜いて評価が高いブラック・ダイヤモンド社のオリジナル機能を盛り込んだ『最終兵器・的なカム・ディバィス』『エイリアン』との比較で、どちらを
選択するかを悩んでいるクライマ−が増加中。
(旧シュィナ−ド社)が、クライマ−の「お友達・フレンズ」のライバル的な機械式
カムを、いつ発売するのかが1980年の中頃のクライマ−の大きな、期待と話題
だった頃。中々、日本には最新の情報が届かず、秘密厳守の中にあって噂ばかり
が先行していた1985年に、私は英語版の『情報』を得ていて、『お友達』の新規
購入を、翌年ぐらいまでは待とうと仲間達と相談していた。
翌年の1986年の『岩と雪・114号』に、意外と小さなLOST Arroe Newsが記載
されていて、シュィナ−ド社が研究・開発した新しいカム・ディバイスの登場を知った。

アメリカ人らしい、ネ−ミングで『キヤメロット』と命名された、この新しいタイプのカム
は、その後に何度かの改良を経て現在では世界中で最も、多くのクライマ−に愛用
されている『プロテクション・ギア』として知られるようになった。

『キャメロット』の名前の意味は、いたって簡単で『カムがたくさんある』と言う事だけで
『CAM A LOT』一説にはア−サ−王・伝説の中の、かの有名な名称との話題も聞
いていたが、販売元からの広告・情報なので単純な命名が正解だろう。
平行2枚カム『ロ−・デザイン』から、発展しての4枚カムへの『お友達』発売から少し
遅れて、登場した『キヤメロット』は、私も国内・入荷時からの愛用者。

機械式(スプリング・カム)の代名詞ともなった、現在の改良タイプはフリ−クライマ−
で自然の岩場に積極的に挑戦する者の、必携ギアであると同時に辺境の
ビックウォ−ル・クライミングでも絶対に、欠かせないギアとして評価が高い。
発明・製造と販売にも係わり、告訴社会のアメリカらしく?
裁判沙汰まで、話しがコジレテ・最終的には結論が出た
『スプリング・カム・ディバィス』=(機械式・拡張確保・器具)
は、パテントが英国のワイルド・カントリ−社のものとなり
有名な『フレンズ』として登場したが、基本的な原理を利用
して、最も最初に実用的な『スプリング・カム』を発案・製造
したのは、個人的に見て・考えて・やはり『ロ−』だと思う。
裁判の結果が、必ずしも正義とは限らないのは日本だけの
話しではないだろうし、クライマ−社会では人の記録から
権利まで、簡単に無視する連中は大勢いるのは周知の事実。

この『ロ−・システム』正式には、ロ−・アルパィン・システム
が世界初の『スプリット・カム・ディバィス』の正式な特許を
アメリカで習得したのが1973年。キャメロットの発売当初の
カタログにも正確に記載されている。

自社の製品に、歴史的に正しく発案者・発明者を明記する
シュィナ−ドの姿勢は、後の自然保護・活動から見て・判断
しても、やはり正しく正統的だと私は感じる。

どこかのパクリ専門メ−カ−は、僅かでも意識面を見習う
べきだろうが、そういった会社ほどに・本家の真似が異様に
かつ、異常に上手だ。
『フォレスト』のティトン(T型チヨック)は、最も単純なカム・チヨックで、類似品には英国の『トロ−ル』から発売された、殆どデザィン上に違いが見受けられないTチヨックや、幾つかの欧州メ−カ−のプロトタイプが、同時代に登場したが普及した用具とは言えない。

日本では一時期『ワイド・クラック』での、プロテクション・ギアの一つとして、大型サイズの改造品などが僅かに注目を集めた。
それも一過性の出来事で、現在では使用者を見ることも少ない
『camed=caming』効果を、縦クラックでも水平クラックでも利用できる優秀なアイディア製品だったが、重量面での不満や改良が進まなかったのは惜しい。
単体のカムを使用して、実用的な『カム・チヨック』を製作したのはアメリカの『CMI』社や、ガレ−ジ・プロダクツとしての活動を続けていた、幾つかの個人製作者だが市販品として日本に入荷して、実際に購入・使用出来たのは、国内では本当に少なかった。販売期間も短く、数量的にも少なかったので、これらの単純な『カム』を日本の岩場で実際に使用した経験を持っているクライマ−は少ない。
この比較的・構造が簡単で模倣する事が容易だった『初期モデル』は、日本でも個人単位だったが自作して同じタイプを作り出したり、ヒントを得て少し改良して、更に小型のチヨックを製作したクライマ−も存在していて、販売路を確保しようと活動していた仲間も、私は知っているが成功した者はいない。
(下・写真)のモノ・ケ−ブル(ワイヤ−ド・カム)は、商品名を『ロック・ジョカ−』と言い、初期タイプの不便な
操作性を補おうと、バネをカム内部に加えて自立式にクラックでカミング効果を効かそうと考案された用具。
しかし、構造上の利点と思えたバネの解除は実際の回収時には困難で、奥の浅いクラックでの使い勝手も
悪くて、クライマ−からの支持を得られなかった。
似たような『用具』は、後に日本でも韓国でも製作されたが、どれも4枚・3枚カムの有効性と安定性能と比較されて、特別に必要とされること無く市場からも消えてしまった。
カムを機械的に作動させ、安定した支持・設置できる『フレンズ』に代表される『カム・ディバイス』の登場・以降で、単純な『チヨック』で一定のカム効果を生み出せる製品で、実用的な製品は少ない。
2007年・現在でも最新の『カム・ディバイス』
幾つかのメ−カ−でパテント生産されている
欧州で長期クライミング・ツア−中に
見つけて、つい衝動買いしてしまった。

このタイプの物は、あまり類似品を見た
事が無い。

『スライダ−』は、発売時期に関西では
入手できなかったので、関東の仲間に
頼んでワンセット送って貰った。
少しずつ、減り出して残ったのは3個。
『ロ−・システム』の最も初期の単純なスプリングを加えたカムは、欧州で幾つも模倣されて類似品が一時期
各国で使用されていた。スペイン製の『アミ−ゴ』や、同じタイプで当時ほんの少し日本にも入荷していた『ジョ−カ−』等のカム・ディバイスは使用者も少なく、短命な『クライミング・ギア』として、知る者も少ない。

『フレンズ』の普及に伴ない、他の似通ったカムはBDの『キヤメロット』が登場するまでの期間に、ほぼ全て
クライマ−に普及して、人気が出るまでに機能・性能を改良、改善できなかった。
便利で安全。『チヨック・ア−ト』とまで呼ばれていた、職人芸・的な基本チヨックを駆使してのフリ−クライミングの伝統を、頑なに今・現在も守り『クラック・クライミング』を楽しんでいるクライマ−も少数ながら存在している。完全な『トラッド派』 日本にも広島の『三倉岳』で一時期・そういった本物を追及する求道者・的なクライマ−が活動していて、チョ−クの使用も拒むナチュラル・ピュアなスタイルは尊敬の対象だった。
後継者・それに近いクライマ−が、育っているのか残念な事に私は知らない。
長期間の使用に耐えてくれた『私の愛用ギア』 フレキシブル・フレンズは1セット盗難にあって残りは少ない
十数年・前の『堡塁・標準マイ・セット』盗難防止と仲間との、間違いを防ぐ色分け仕様品
最初に購入した頃の『エイリアン』これも他のギアと同じく、1セット+消えてしまった
Saturday, January 27, 2007
個人的な『愛用サイズ』を過去に何個も購入したのに毎回
クライミング後に、見つからず?紛失。
どこかで使われていれば良いのだが。
IWA TO YUKI 1980/No73『IS YOUR NUT A FRINND?』
IWA TO YUKI No73/IS YOUR NUT A FRIND?
最新の『オメガ・リンクカム』には、トリガ−部分のワイヤ−に欠点が存在しているようで、改善が望まれているが現在では、サイズ範囲の広さで最も利用価値の高い『カム』だと、思われている。次々と、登場する『カム』には、クライマ−の要求には応えられず、いつの間にか消えていった「物」が、多い。市販品から、しばらく待って問題点の改良・改善が行われるまで、しばらく我慢して『待つのが安全』そして、得策。
1960年代の初めにクラックでの、プロテクションとして『カム・チヨック/ナッツ』の原理を最初に、工夫して使い始めたのは、スコットランドのクライマ−達だと、考えられている。私も、そう思う
初期の「カム効果」をクライミングで、使い始めた頃には、単純にサイズの異なる『木片』の、一端に穴をあけてスリングを通して、クラックに押し込んで原始的だが、カム効果は利用できた。
半世紀・以上の歳月を経過して、今現在の『近代的・機械カム』で何かが、不足しているとは思えない。
『ロ−・システム』とは、アメリカのロ−兄弟の、グレッグが1967年にエルキャピタン・ノ−ズのスト−ブ・レッグスでのクラック・システムで、大量のピトンを使用する代わりに、新しいチヨックでクリ−ンなスタイルでのクライミングを続けることを目的に、『クラック・ジャマ−』スプリング付きの、カム・チヨックを考案した時から、当時・最新のクライミング・ギアを創造した時点から始まる。初期の単純なスプリング付きカムを、ロ−兄弟のマイクが改良し、1973年に『スプリット・カム』として商品化に成功。

『フレンズ』は、このアイデアを『レイ・ジャ−デイン』がロ−兄弟には無断で盗用した『カム・ディバイス』だと言う、商標や特許に関わる、問題は裁判上は、ロ−・システム側の主張は退けられたと聞き伝えられている。

『トライ・カム』は、フレンズの登場した後に市販された、カムにスプリング機能を持たないシンプルなカム・チヨックで、スタッキングも可能な特殊な形状と、応用的な使用に熟練は要求するが、愛用者は現在でも多い。
2006年には、噂が先行してクライマ−に興味を持たれていた『オメガ・バシフィック』オリジナルの最新カム関東の友人達は、その頃に使用していて、機能の優秀性を私に伝えて来ていた。購入は2007年、カムを動かす『可動ワイヤ−の固定部』の弱さに、問題が在ると報告されている。