加西・古法華の岩場
1996年〜1997年に開拓 1998年に情報公開された新しいエリア
大阪の「ル−デンス・アルペン・クラブ」と「勝山山岳会」メンバ−により開拓・整備された、姫路市と加西市
の市境にある『古法華自然公園』北端の、石切り場・跡の明るい岩場。
1998年 廃刊された『岩と雪』なきあとに、別冊『山と渓谷 Rock&Snow』として春・夏号として発刊された雑誌に国内クロニクル(情報)として、小さく?扱われて紹介記事が出たのが、この岩場がクライマ−に知られた最も最初の情報だろう。
この『雑誌142ぺ−ジ』での紹介内容は岩場までの簡略図に関しても、かなりアバウトで岩場と進入路・入口の方位も間違っていて、しばらくアプロ−チで周辺で迷う訪問者が多かった。
岩場の概略図とル−トの説明に関しても、不親切で初めて訪れるクライマ−が混乱していた時期もある。
この岩場では、初期の開拓者の残置した各種支点も基準以下で、数度の打ち替えや、打ち足し、そう言った問題が多くの使用者の相談や協議も一切無く、かなり乱暴に行われて、ル−トの質にも陰を落としている事だ。

近辺の他の岩場と同じく、凝灰岩系の軟質の岩場ながら、表面の剥離や落石の危険性は、良く利用され
ているル−ト範囲では危険性は少ないが、一部に終了点の不安定さが残っている。

NHKの大河ドラマ『宮元武蔵』撮影地として利用され、その時にメイン・エリアに残置された支点類の
ボルトが撤去された、経緯があり。その後に再びボルト類が、打ち直された。
全体的に『岩質』を、考慮すればケミカル・タイプの使用が理想的な岩場なのだが、終了点が特に顕著
なのだが、今現在・残置されているボルト類は、お世辞にも良い物を使っているとは言えない。
クライミング用・以外の安価で強度にも不安が、大きく残る工事用・ボルトやハンド・メイド・タイプの鉄製
板状ハンガ−等も多くて、評判は芳しくない。
石切り場・跡の岩場(クライミング・エリア)としては、特筆すべき恵まれた環境を持っている。

何よりも、駐車場・完備でトイレ施設も利用可能。車を止めて、徒歩5分で岩場前と言う、快適さ
キャンプも岩場・前で可能で、周辺には家族連れでも楽しめる展望の良いハイキング・コ−スも
あると言う、非常に恵まれた自然環境。
以前は『岩場前』まで、車が進入できたが『不法投棄』が後を絶たずに、現在は駐車場・先より
車両・進入禁止のゲ−トが設置されているが、岩場までは僅かな距離なので何ら問題なし。
ゲ−ト設置後から、目に見えて周辺の『ゴミ類』が減って状態が改善された。

常連クライマ−の労働奉仕
?的な活動で岩場前の草も、きれいに刈り取られている事が多くて
感謝。ポピュラ−な右・左のスラブ壁・取り付き付近の整地や掃除も、行き届いている。

この岩場の管理に関しては『石仏保存会・交流アトリエ館』が、岩場への侵入路の施錠・ゲ−トや清掃に関しても担当しているので、何か個人単位とは別の企画や活動を行いたい場合は、加西市・所轄管理部門と共に、正式な届けと許可が必要となる。
初級スラブ取り付き、及び地面で行われている行為に関しては、クライマ−側からの意見や不満も多いと聞くが、これらの問題で地元と、軋轢や障害を引き起こして欲しくないと、個人的には考えている。
開拓・初期の段階から終了点・付近
に設置された『残置支点・類』には
問題が多い。
中には、明らかにクライミングの場
に、使用・利用するのは間違いだと
判断出来る『物』も多数、存在。
設置から、僅かな年数で腐食・錆の
影響を強く受けている残置物が多い

通常のクライマ−感覚では岩質を考
えなくても、かなり危ない。
終了点の残置支点の悪さが、際立っているの
が正面ゲ−トから進んで、岩場・右側に位置
する『大法華岩』問題点はトップ・ロ−プの
セッティング時の、支点類の位置関係も含め
良く、吟味し考えられたとは思えない。
ロ−カル・エリアの最も悪いパタ−ンを見せて
いるのは、非常に残念だ。
岩質も理解すれば、正規の専用用具の使用
を地元クライマ−ならば、少し無理してでも
時間を必要としてでも『確実に設置』すべき。
これは既得権や地元・余所者そういったレベル
の問題ではなくて、この遊びに加わっている
人のモラルや他者の安全への配慮。
自分達だけの岩場・・・・まさかね。
正面に向いて左側・最もクライマ−の姿を見る特徴的な『右上する程に高距』が延びる一枚岩・状の
岩壁で、代表的な7本の既成ラインと共に、ライン間の限定により幾つかの『課題』が設定されている。
左端の岩場・裏側から簡単に岩稜状の各ラインの終了点に向える為、トップ・ロ−プのセットも用意だ。

各ラインの取り付き点の整地も、行き届いていて以前は潅木の中で木々が邪魔をしていた、最右端
のル−ト取り付きも、整備されている。一部、地面の露出した石は殆ど気にならない。
反面、バック位置に安定した確保支点は無いので、初心者・同士での練習時には確保位置や<、基本の
引き込まれ岩への衝突などといった辺りには、注意が必要。
この『岩場』での、クライミング中の事故例は決して多くは無いが、2008年3月に救急車を呼ぶ支点問題
にも関わる『事故』が発生した。
『小法華岩』の開拓・初期ル−トは左から『クラシック・クラック5・10a』『イトはん5・10a』
『コイさん5・11b』『御寮はん5・10a』『こぼんちゃん5・10b』『若旦はん5・11a』これら
ル−ト開拓時のラインにはボルト意外にも、ピトンも使用されていた。
一種の『ハイボルダ−』として、左サイドを利用しているクライマ−も増えている。
『小法華岩』が特徴的なカンテで区切られた右裏側に位置する、すっきりとしたフェ−ス壁は中央広場
から、左に入って正面の岩場で終了点は「石切り場・跡の岩場」に良くある、出口付近の危なさから
岩場・上部の潅木帯まで抜けない壁中の残置支点(アンカ−・ポィント)から下降が一般的。
左端のラインは無名。右上する細いクラック沿いが『人身御空(人身御供)?5・10b』記録・公開時の
資料ではボルト1本にフレンズ使用と記載されているが、現在では他ラインと同じくボルト数が増加。

大まかなフェ−スの直上ラインは素直に登って『既成ル−ト5・9』終了点・手前にも最近アンカ−が
設置されているが、全く誰が設置したのか?残置カラビナの代わりに鉄製ナスカンが2個。
これは、はっきり言って論外、しかも鋭利なナスカンの開閉部は指を切る危険性あり。注意
右には『クラック・ライン』最初の一歩目の,お助け石が必要なら踏み台代わりに轢いてある地面の
石を立てかけて使えば一歩が簡単になります。もちろんアン・フェア−
この右側にも初期・開拓後に、ル−トが誰かによって追加されている。詳細・情報、不明

石切り場・跡の終了点は砕石の重なった地面で、岩場へ降雨後は流水がある。
終了点付近は、非常に不安定な箇所があるので、これからも落石や崩落の危険性には注意が必要
(上写真)小法華岩・右へ中法華岩
『中国自動車道』以南は比較的、冬季の降雪が少ないといわれているが『位置的』には、兵庫・中部の範囲と同じで、冬季期間には積雪を見る機会は多い。ただ、馬蹄形に岩場で取り囲まれた『広場を中心』として、岩場は北西風を遮ってくれて、風のない日には冬でもクライミング環境としては恵まれていると言えるだろう。

『初心者の基礎的なフリ−クライミング体験』や、家族を待たしての目が届く範囲で気楽にクライミングを楽しむ『場』としても、意外と使い易いエリアなので、開拓後から通い出したクライマ−のリピタ−は、この種の『岩場』としては多くて、アプロ−チの歩く距離が殆ど無いという条件は最近のクライマ−には評判が良いようだ。

又、岩場手前の駐車スペ−ス近くに『トイレ施設』が、完備している事も家族連れや女性の同伴時に安心できて、『チャレンジド/障害者』が、クライミング体験や各種ロ−プ系の、チャレンジ企画を楽しむのにも最適・環境。『キャンプ場』利用に関しても、所定の手続きで簡単に使用できる。
2008年3月8日(土曜日)1月に来た時には、以前と同じ環境だったが、3月8日に来た時には状態が激変していた。手前の地面にはキャタピラ跡が残っていたし、人の手だけでは行えないような一種の造成作業の雰囲気もあり、取り付き地点の地面から岩場にも、まるで『抉り取られた』状態の不自然な痕跡も見られた。最近、行われたと考えられる。取り付き付近は平に均されていて、丁寧な石積みまで施されているていた。誰が行ったのだろうか?しばらく、この疑問が解決しなかったが2008年3月28日に、日本最古の『石仏』を拝観する得難い機会が訪れて、その時に周囲の管理関係に従事する方から、趣味の範囲で『岩場』に手を加えている方が、おられると言う話しを聞くことが出来た。神戸の方で、直接『クライミング』に関係している方では、無さそうだ。
2009年の夏に『石彫交流館』が、依頼してくれた『古法華の岩場・取り付き周辺』から、広場全体の潅木と草を綺麗に伐採してくれたので、現在は見違えるように広々とした環境が戻って来ました。
(下・写真3枚)2009年10月31日
80年代に『自家製/ハンド・メイド』タイプの各種『ハンガ−・ボルト』や、工業製品の安価な『アンカ−・ボルト』類でのクライミング中の事故や、怪我が問題となり、現在では、こういった『クライミング専用品・以外』のボルト類が公表された『クライミング・エリアやル−ト』上に多数、残置されている例は激減していたが、この岩場は時代に逆行している感じを受ける。特に、一端『発見・開拓者』が整備し、情報を公開後に一般的に誰でもがクライミングを楽しみに、訪れる環境下で(下・写真)タイプのアンカ−が多数、設置されている岩場は少ない。
2005年に石仏の拝観を希望して、地元管理者の方と連絡を取り、平日に一人と言う無理を聞いて頂いてから、監理施設にも顔を出すようにしています。クライマ−の駐車に関してや、事故や幾つかの問題に関しても、個人的に禁止措置などの声が、出て欲しくないとの思いで地元の方達に可能な限り、クライミングの現場の声を聞いて理解して頂けるように、努力しています。2009年5月より、地元『加西市の観光協会』や、役場の『ふるさと振興課』から、委嘱状を受けて主に、地元の山々でのハイキングの企画や観光に関して、協力する立場を得られたので、この岩場も含めて周辺での、これからのクライミング環境の保全にも、少しは力を発揮できると思います。
クライミング関係のイベントや『バリアフリ−・プログラム』での利用で、ゲ−ト開放での岩場・直下の、広場での露営や、地域の活動で現在・使用されている建物を、宿泊・施設としての利用も、将来的に可能となっています。地域に役立つ、クライミング関係の企画などで、アイディアを持ち、プランの実施を考えられているクライマ−と、協力して有効活用したいと思います。行政との関係も、現在・努力中。
『古法華の岩場』の中でも、あまり利用者を見る事が無い、一番・奥まった場所にある名称どおりの『奥法華岩』この、奥の岩場へのアプロ−チ途中に、初期の開拓者が見落とした、この岩場周辺で最も価値が高く、評価が高まりつつある1本のクラック・ラインが存在している。『奥法華岩』は、一般コ−スの尾根上のハイキング道からの接近が容易で、下の岩場前へのアプロ−チからも存在が目視で確認できるのだが、開拓後から人気が無い岩場の一つ。ル−トの名称にも問題があるとは思うが、個人的には『コ−ナ−・ライン』は登って楽しい。ただ高距が短く、TR課題も多くて一つの『エリア』としての、整備は不充分だった事から、新規・開拓エリアと比較されて、ますます、この岩場の人気は薄くなって来た。
2002年〜2009年までの期間で、開拓初期に残置されたボルト&ピトン、及び壁中・終了点のアンカ−・システムが数度、打ち替え・変更されている。特にプロテクション・ボルトの回収後の穴に埋められたコンクリ−ト・ボンド?の痕跡は意外と多く、ある種の汚さを感じるというクライマ−は多い。壁中の終了点は私の知る限り3度も交換されていて、他のエリアで見られるリボルト・タイプとは異なる、低級なアンカ−・システムは不評だ。この壁では2003年、以降から数度の墜落事故が起きていて、救急車・要請も数度あり、初心者?には注意が必要。
2003年〜2008年までに、この岩場で数件の墜落事故が起きていて、現場からの救急車・要請あり。
障害者・対応の公衆トイレ施設・完備で、駐車場からの岩場までのアプロ−チが、車椅子・見学者&企画・参加者でも容易で、サポ−ト側の負担も少なくて、地元からの活動・理解に支援も受けられる『バリアフリ−・プログラム』実施場所として最適な環境を有していて、現実的に関西範囲で唯一と考えられる、クライミング系&ロ−プ・アドベンチャ−範囲での、各種・企画の実施・場所として貴重。2002年から、単発的ながら、企画で利用させて貰っています。(下・写真)は、2009年11月15日の『バリアフリ−・クライミング・無料講習会』での記録・写真。
子供達が『フリ−クライミング』や『初歩的なロ−プ・アドベンチャ−系』の、遊びを体験し、楽しみ方や安全確保に関わる技術や知識を学ぶのには『古法華の岩場』は、環境・アクセスを含めて理想的な場所。
阪神圏のBS活動やキャンプ企画を中心に活動する、様々なグル−プや組織からの、問合わせ、企画実施での講師要請に応えての『企画・実施場所』として、将来的にも活動範囲が広がるエリアと言えます。