『氷河での活動時に存在する危険』から、セルフ・レスキュ−に関する備えとしてのアッセンダ−類の小型化と各種ロ−プ・ワ−クや、主ロ−プに巻きつけるマッシャ−類の技術も発達して来た欧州では『ヒ−ベラ−』から数多くのアッセンダ−が考案・製作されて来た。

ユマ−ル等に、代表される固定ロ−プ・クライミングに使われる『アッセンダ−』は、より快適に効率良く使える改良が進んで、グリップの工夫や『アッセンダ−のポィント』である、ロ−プを挟み、固定さす部分の改良・改善が進んで来たが、軽量化には機能面と耐久・強度の部分で、一定以上の小型化には困難な部分が生じていたので、緊急時・対応や予備的に『氷河活動』で携帯する『物』や、メインの『アッセンダ−』が使えない状況で代用品として、充分に機能が利用・使用できる『軽量・小型のアッセンダ−』の必要性は大きかった。メイン・ロ−プよりも、細いロ−プ・スリングを利用した技術は、古くからクライマ−に使われて来たが、小型化が達成されて重量的な制約も、緊急時の使用を考えれば問題とならないほど軽い、最新の『小型タイプ』のアッセンダ−は、レスキュ−・テクニックの中でも充分に応用・活用すべき『用具』として、普及すべきタイプの『クライミング・ギア』と言えるだろう。
バイオリンの弦を、締める為に考案・利用され出したと伝えられている『プ−ルジック』を、より簡単に使える様に工夫した『用具』は、1960年代から幾つものタイプが登場したが、用具として、使えたのは唯一・ドイツ『サレワ社』が製造・発売していた、この小さな金属板・状の用具だけ。

類似品・模倣品も登場したが、日本に入荷していたのは多分?この、サレワ製品だけだと思われる。
当時としては、非常に機能的で軽量で持ち運びに関して全く、問題の無い重量は使用者を増やすかと思われたが利用できる、付属ロ−プの径が細過ぎて『安心感』に欠けていたのと、見た目に、ロ−プから外れやすい単純過ぎる構造が恐かったのか、普及する事は無かった。
1950〜60年代の欧州メ−カ−のカタログには全く同じ
機能と外観の『用具』が、紹介されていた。

国産『氷河用』用具として、短い期間だけ流通・市販されて
いた『プ−ルジック』用具の一つ。
バリステイック?を使っていたのか、テ−プ(ウェ−ビング)
の素材特徴なのか『硬過ぎて』使い難かった。

私は、交換して使っていた。
使い難い『用具』では、無かったので市販品が普及しなか
ったのは残念だと思う。

溶接・繋ぎ目の無い『リング』が、SMC社のディッセンダ−
リングに似ているが、サイズが異なる。リング使用の用具
は、簡単にロ−プに設置・使用できるがロ−プ径によって
は固定力に不足があったり、ロ−プの凍結時や泥が付着
している時や、老朽化した固いロ−プでも、確実に止まら
ない場合があって、他国でも一般に普及していない。
市販されている『代表的な小型アッセンダ−2種』どちらも、軽量で使用方法に熟知していれば有効に利用できる
グリップ・ホ−ルドの為の、カラビナは当然だが
『安全環・付きカラビナ』を使用したい。
小型のアッセンダ−には、小型のカラビナと連想
しがちだがロ−プを、カラビナで挟む構造のタイプ
も、含めて極端に小型のカラビナの使用は握り難
いので、相性を見極めておきたい。

『小さく、軽い』のが利点だが、ロ−プへの設置時
に、誤って落としやすいという欠点は考慮しておく
必要があります。特に『タイブロック』は、注意
小型アッセンダ−に、付属している『ワイヤ−』は、強度は無いのと岩との接触で磨耗しやすい。落下防止に後づけするスリングは、長過ぎるとメイン・ロ−プと器具との間で、無用の緩衝・接触するので長さに注意。
掌に、すっぽりと収まる程度の小さく軽い『用具』で価格も
それほど高価とも思えないので、購入・利用者や緊急時に
備えて、用意するクライマ−が多くなるだろうと予測してい
たが、現実には購入者は少ない。

『ハンドル付きアッセンダ−』が、必要なクライミング時にも
予備として、持っていく。(私なら)
これまでに幾つかのメ−カ−品を使って来たが、予備的に
持つならば『ペッツル社』の機械的なカムより、簡単に使え
るタイプが個人的には、良いと思えた。

ロ−プを通す方向を、間違えない事が大切。意外と、この種
の単純な使用方法の間違いが、危険。
無さそうで、在り得るのが『クライミング』の現実
メカニカルなロ−プ固定器具(アッセンダ−類)を、持参しない場合にも
これまでなら、最低限の『プル−ジック用・補助ロ−プ』は必ず数本は携帯するのが、30数年来の習慣だが、最近は、この『専用ロ−プ』にも進歩が表れていて、『プル−ジック専用ロ−プ』も、カットピ−スで購入・使用できるようになった。

通常の利用範囲で便利な、5mm・6mm・7mmが選択できて、外被と芯(コア)の伸び率が同じ様に計算されていて、実際の使用時で無駄な力が不要で、使い勝手は良かった。そして、更に使い易い製品が登場していて、私自身は、まだ使用していないが入手予定なのが、ソウン・スリングの様に、プル−ジック・ロ−プを結ばずに縫製技術により固定させた『ロ−プル−プ製品』の『ソ−ン・プル−ジック・コ−ド・ル−プ/SEWN PRUSIK CORD LOOPS』

『PMP/プル−ジック・マィンディング・プ−リー』=プル−ジック・ロ−プの巻き込み、防止機能を持った『レスキュ−向きプ−リー』との併用が、理想的な用具だと思える。

『キャニオニング』での、必携用具の一つになるかも?

『プル−ジック』使用時で、最も簡略化された補助用具は薄い、樹脂板
で超軽量で価格も意外と安価な『パンケ−キ』と呼ばれている、プル−ジック・ロ−プと、他の用具への『巻き込み防止用具』で、こちらも重量が僅か15gなので、使用が御薦め。
2008〜2009年版『KEMカタログ』を参照されると良いでしょう。