特殊なカラビナ類(ビア・フェラ−タ用のカラビナは除いて紹介) |
土産として購入して来た物を、含めれば十数個は、様々なタイプを手にしたが、どれも個性的で面白く、かつ強度や機能面で、実際のクライミングでの使用にも、耐えれる物もある。 |
キャニオニング・スク−ルでは、ワンパクの安全『固定』に、実際に使う事もあります。 |
抜群の耐磨耗・高強度を持った「カラビナ」なので、主にトップ・ロ−プ用として愛用 |
危険な『反転』も、在り得ない形状を利用して様々な使い方で利用しています |
製作・進行中です |
1970年代に東欧圏で製作された、当時の基準から考えれば 驚くほど軽量で、カラビナ本体の径が細い特殊カラビナ。 メタリック・カラ−の斬新なカラビナだったので、仏のキャンプ場 で、毎夕・恒例だった各国・食品持ち寄り宴会(インタ−ナシャナル) に誘っていた若いクライマ−から、カレ−の返礼で1個プレゼントして 貰い、その後に国産のハ−ネス用として作られていた三角変形ビナ 等の用具と、交換して数個を譲って貰って帰国。 珍しいタイプだったので、仲間からセガマレて譲ったりしたので コレクションとして残ったのは、この写真の1個だけに、なってしまった。 |
その当時、関西からの参加者は極端に少ないと聞いていた旧・ソ連 のスポ−ツ・マスタ−部門の『アルパィン・遠征クライマ-』研修に招請 や、推薦状の類を持たずに飛び入り参加しに、現地に旅立った仲間の 一人が、私に土産として持ち帰ってくれた数種類の『カラビナ』も、それ ぞれに、個性的でハンドメイド・タイプ固有の、オリジナリティ−に富ん だ面白い製品だった。 |
『岳人』のMountaineering Seminar(雑学) などに、『クライミング・ギア』関係での、駄文を 書く機会は、多かった。 『消費者側』からの要求と言う観点では、私の 意見は、それぞれの『項目』では同調・共感する 意見が寄せられていたが、『安全・基準』に関し ての『意見・提案』が、正しく読まれていたのか どうかは不明。 |
1980年代に、カラビナ破損の実例から警笛的な 意見を、文章で提案した。その事例や被害は 今日的な「問題」で、軽量化が進み出しコンペに 代表される、企業・広告や営利活動が影に隠れ ようとも、必ずスポ−ツ活動の全面に及ぶ見え難 い危険に直結する現状・進展だと考えていた。 70年代に、今でなら生産者・賠償とか消費者・保護 の項目に、引っ掛かりそうな『粗悪なカラビナ』を 生産、販売していて平気だった国産の登山用具 メ−カ−は、今は消えたが、そこから出された製品 のカラビナは、ひどい代物だった。 カラビナの開閉部で、指を切り怪我を負う・そんな 事は、今ならば告訴ものだ。 実際に、そういった『カラビナ』が存在していた。 メ−カ−は、消費者である登山者やクライマ−を ある意味で、モルモット代わりに使っていた感が あった。 元々が、文化国家・人権・・何とか、の国々の中で 人の生命が、ひよっとすると最下位・基準なのでは 疑がわれている、この国の事だから不思議では 無いのかも知れない。 雑誌もガイド・ブックも、何かしら広告やスポンサ− 人との、シガラミ・その他の事情でか絶対的な安全 に関する、基準や正統的な意見を見る機会が少なく どこかのタブ−が、生活に残っている国の様な息苦 しさを感覚的に覚える現状では、クライミングでも 使用する『用具類』の、安全性は自己責任。 まず、現状で製品の欠陥や情報・開示の原則で何ら かの法的な、制約でメ−カ−を処罰する事は、困難 告訴・社会のアメリカなら、いざ知らず、この国では 遊びは、基本的に個人の責任の範囲だ。 カラビナも他のクライミング・ギアも、アイゼンやロ−プでさえも破損・壊れるとの認識や知識が必要なのだが安全に関する認識に、乏しい人達が多い現状では雑誌の情報・提供ぐらいでは浸透しない。 クライミング中のアクシデントで、カラビナも破損する 現実を、もう少し情報として広める必要は感じる。 |
『岳人1993年4月・号(550)依頼・原稿』 |
『軽量化』と称する目的を用具の機能で補おうとする、意識は本質的には、クライマ−本人の担架力・要するに背負えて動ける体力・肉体的な耐久力を基本として、可能な耐久力ならば、より付加される重量が軽ければ動ける時間的・物理的に優位だと言うだけの問題。基礎体力に劣るクライマ−が、僅かな重量の軽減・軽量化に成功しても、最も大切な『安全性の向上』に直接の影響を及ぼすのかどうかは、甚だ疑問。 しかし、重量を可能な限り減らせれば肉体的な負担・疲労は軽減値(量)するのは、当然なので楽をしたければ荷物の重量を減らしたいのは、誰でもが考えることだ。精神的な領域でも1Kgの重量の軽減でも、その影響は気分的にも良いものだ。しかし、無謀・無知な軽量化を続けると、不要な物だけではなくて、本当は必要な物の必要な安全性や強度・安全性をも犠牲にしての『危険』を自らの、判断で文字通り『背負う』結果になる場合も多い。 何が、本当に必要で、何が不要かを知るには体験から得られた実体験での必要性に関する知識や無駄な用具を使わなくても、対応できるだけの技術的な能力が必要。 雑誌やカタログ情報での『知識』が、本当の意味での『技術』なのかを、混同せずに自身が理解しているかどうかは本人にしか判らない。誰もクライミングの現場や風雪の環境下で、採点して間違いを正す様な教師は存在しない。間違ったと理解した時が、大抵は最悪の状況であり、見栄やプライドは何の役にも立たない。 |
軽量化が金銭的に可能となったのは1970年代からで、それだけ各種・装備や用具の種類が増加して各自が自分の判断で、それぞれの目的に即して『専用用具』を選択・購入できるようになってからだ。 初期の『軽量化・用具』の代表格は、やはりカラビナで当時のクライマ−ならば一度ぐらいは実際に手にした ことが在った鉄製の重いカラビナから、はるかに重量的に軽減・軽量と成った『合金カラビナ』の登場は画期的で、その継承は多種類の軽いカラビナを誕生させた。 |
鉄製の重い「カラビナ」が、飛躍的に改良・素材面での変化で驚くほどの軽量化に進んで、その後の更なる 軽量化には「カラビナ本体」の形状やデザインへの改良が必要となり、当時のクライマ−側からの要求に応えていた製品として一時代の主力製品として、愛用者が増えたのが独・サレワ社から登場した中空タイプのカラビナで小型化による重量の軽減が始まり出した、当時としては唯一のカラビナ本体の製造デザインによる成功例。『欧州アルプス冬季3北壁・単独登攀』を成し遂げて、当時、様々な装備類に関する、アイディアを具体化して各種・用具の製作にも影響を与え、行動自体で当時のクライマ−に示唆的な指針も与えていた故・長谷川恒夫氏も愛用していた、サレワの最新カラビナは愛用者・使用者の多かった当時唯一とも呼べる軽量カラビナとして、かなり長期間クライマ−に使われていた。 「カラビナ」を直接的なホ−ルドとして使用したり、積極的なエイドクライミングに使用するタイプ・スタイルのクライミングがアルパィン・冬季の氷雪壁では必要・性能の一つだったので、小型化の方向に向かい出した当時にはサレワの比較的ハンドリング性能の良い極端にカラビナ自体の大きさが小さくは無いタイプは使い易かった。半面、素材を革新的に変更できず、デザイン状の改良も加えられなかった中空タイプの、このサレワのカラビナは急激に日本のクライミング環境・クライマ−に浸透して行ったフリ−クライミング・ム−ブメントの流れの中で、更なる軽量化と小型化の方向に追随できず、現在では過去のカラビナとして忘れられ出している。 同時期に(旧)シュィナ−ドが欧州品の比較的、単純な変形D型カラビナを徹底的に研究して作り出したモデルは小型化にも軽量化にも成功していて、その製品から各国の製造品は同じ方向性で各種カラビナを作り始めた。 社名が変更されて『ブラック・ダイヤモンド』になった経緯を詳しく知っているのは、かなりの情報通で70年代 からのクライミング関係の情報と共に多分?各種『クライミング・ギア』の歴史的な進展過程にも詳しい事でしょう。そういった人達の前で、ある程度は資料が残っていて判りきっている事柄を羅列するのは少しばかり気恥ずかしいのですが、全く、そういった事柄を知らない世代・年齢層のクライマ−も増えて、幾つかの技術的な教書を読むと、何か少しばかり自分達に都合の良いように『オリジナル』部分や、功労者に関する歴史認識で疑問を持つものが多く成り出したので、ギア関係と、付随する項目部分ぐらいは整理してみたいと思います。 |