過去の『愛用品』 今でも、使える物が多い
私は交友関係に恵まれているので70年代の後半
に、大学の探検部のケイビング愛好家や、そういった
当時としては、かなり珍しいタイプの、若い友人との
交流で、様々な情報を知りえる立場にいた。

『ケイバ−とクライマ−の交流・企画』などを自分の
好奇心や知識欲を、満足さす為に実施していたのも
当時は、山岳会や山岳部の狭い組織・構成の中から
より、個人・人としての交流や、新しい世界への憧れ
や夢を、違うジャンルの遊びでも山や六甲山の岩場
で、お互いに認め合って知識や技術の交流に積極的
に加わる、私を含めて若い世代が共通の認識や意識
を、持ち始めた頃だった。
現在でも「アメリカのクライミング雑誌」等を講読している
クライマ−には、見た事や情報は知っている方も多いと
思う。
(右・写真)の『ギブス・アッセンダ-』も、かなり長く海外の
クライミング・クライマ−にも使用されている定番・用具の
一つだが、日本国内で使用している人は殆ど、いない。

脚部の押し下げスタイルの「ユマ−リング・システム』が
まだ、クライマ−には知られていなかった70年代に海外
では、主に縦穴を下降し登り返す必要のあった「ケイバ−」
達が、より効率的な方法として足首に、この種類の用具を
固定してのユマ−リング・テクニックを考案した。

同じ様なシステムや用具の工夫と利用は、同じくケイビング
目的で、東欧圏や旧・ソ連(ロシア)で技術が洗練されて
専用のハ−ネス・接続用具も改良されて日本にも、新しい
技術『イ−ジ−・ゴ−・システム』として紹介された。
ロ−プを挟む「カム部」を、押しピン方式での脱着システムを採用している、変ったタイプ。
現在も、この種類のシステムで同一・機能の小型用具は使われていて、強度もある
『EDELRID=エ−デルリッド』と、聞いてロ−プ製造メ−カ−と連想する人は多い。
日本国内には70年代から、80年代にクライミング・ロ−プしか入荷していなかったが、実は多種類の
専門的な『クライミング・ギア』と、特殊な環境下での使用を前提とした『レスキュ-用具』も製造・販売していた。
国内、入荷・初期の『CLOG社』製品は、レスキュ−時などにロ−プの結び目を、交換しなくとも下降器具の中を、結び目が通過する様にとリング部の特別、大きなタイプが存在していた。
(左下・写真)の物が、CLOGの大型タイプで。(右・写真2点)はアメリカ・CMI社・製品の通常サイズ
当時としては、かなり斬新なフォルムと機能を持った『国産品』縦位置に使える、数少ない下降器具
チョイがけ・タイプに使える説明が、書かれていたが私は恐くて、そんな方法は使った事が無かった。
個人的には『好きなタイプ』の、下降器具だったので表面を、加工しネ−ムを取替えて愛用していた
懐かしく、感じて自分の現役時代のクライミングを
楽しく、思い返す方達も多いと思います。

国産のクライミング・ギア(下降器具)としては最も
普及して、使用者が多かった「ヒラリカン」

比較的、サイズは大きくなかったのに
併用する「カラビナ」は、重量的に重い
鉄製品。

携帯時のガチャガチャ音が、懐かしい。

ブレ−キ・バ−採用の『下降器具』の原型から発展して
使える物に、なった最初の製品だ゜と思われる。
本来は、同一メ−カ−のオレンジ色の0型カラビナを
組み合わせて、使用していた。
制動力を、倍加さす為に私はバ−部分にディセンダ−リング
2個を、長く・恐い下降時には組み合わせて使用し、最も長く
使用していた。

その「リング付加」の、アイデアを新機種の用具の使用から
使わなくなって20年後に、同じ様なアイデアの専用リングが
仏で、販売されているのを見て。
つい、使わないだろうに、購入してしまった。
用具としては、非常に単純なシステムで古くから、この方法
の応用・技術として複数のカラビナでの簡易・下降器具として
使用する、場合は多かった。
ただし、このカラビナを組み合わせて使う方法には幾つかの
危険な要素があり、実際に有名な遭難事故でも、このカラビナ
利用の器具・代用が悲劇を招いた。
国内でも、かって思い違いか、使用方法の誤りで事故が発生。

そういった『技術・項目』なので、このサイト内では技術の情報
は、紹介しません。実際の岩場で本当に、信頼出来る方に直接
指導を受けられると、良いでしょう。

下降器具・制動器具を、誤って落したり、紛失した時や
緊急時の、応用技術として知っておくべき方法なので
基本的に、習得しておいた方が良いでしょう。
厳密に『耐用年数・使用期限』を、判断して使わない物は、現在は『コレクション』
実用に耐える?国産品として販売・当時には
使える『ギア』の、代表格。

ロ−プの巻き付け箇所は、全体を小型に製作した
タイプだったのと、位置や角度面で私自身は使用
頻度が、多くなかったので切り取って改造した。
結果は、無くても充分に使い易かった。

時代が、求めていた『小型・軽量』の方向性に合致
した、数少ない国産・オリジナルとして私は評価して
いるのだが、利用者は多くなかった・らしい・・・

一時期、本来の使用目的・方法では無かったが
私は、少し付属器具と併用して、面白い使い方で
使用していた。
エイトカン?もどき・そういった登山専門店がオリジナルとして
販売していた、各種『下降器具』の、中で数少ない使用に耐え
れるオリリジナルは、(右・写真)の『ICI製品』

故・森田勝氏の考案による国産品。
仏「ニュ−アルプ社」からも、類似した製品が出ていたが、現在
このタイプの下降器具を、使う人は少ない。
販売しているモデル・タイプにも、見つけるのは困難でしょう。

器具にロ−プを、通す際に器具本体をカラビナから外さずに
使える、その利点は現場では有効・確実。
実際は、制動力が同じ程度で市販品の、通常タイプのエイトカン
等の下降器具でも、同じ使い方は出来るのだが、アイデアとし
ての優秀さは、失われていない。

他に、真似のない独創性が、あるか?
後の、改良・発展で進化する「用具」だったかが、価値判断。

そう、考えると・たった10年程度の年数で何かを後継して
アイデアやデザイン・性能の優秀さを残せた国産品は、少ない。
日本国内では『技術』としても、使われる、使う
クライマ−は、殆ど見受けられない。

専用の『用具』を、持っているクライマ−も同じく
殆ど、存在していないと思う。

実用的で、安全性の向上には役立つが一般的
では、無い『用具の見本』が(右・写真)の赤いリング
器具。使用方法は、いたって簡単。
『ヒラリカン・ひらり環』等と、称された、この器具・用具は国産の
クライミング・ギアとしては、最も利用者・購入者が多かった。
私は、重量的な問題と、鉄カラビナの古さが気に入らず、同時期
に、入手が可能だったSMC(アメリカ)製品のオレンジ色のバ−
と、同一メ−カ−の同じ色の軽いカラビナとの組み合わせを愛用
していた。もっぱら六甲山の岩場でのトレ−ニング時にボッカ用
として携帯・使用した用具の一つ。
高機能「ビレイ・ディバイス・確保器具』の最初のオリジナル機能を備えた、ドイツ・サレワ社・製品
トップのビレ−(確保)も出来て。セカンドのビレ−はオ−ト・ロック利用が可能といった最初の用具1980年代に考案された『ビレイ用具』としては、最新のモデルだと思われた。
『オ−トマチック・ビレイ・ブレ−キ』 考案者のむ名前を取って別名『アンツ・ブレ−キ』とも呼ばれていた。西ドイツ・サレワ社の製造した、初期の自動ロ−プ・ロック機能とブレ−キ制動を併せ持った
最新用具として注目を集めた。
『ガィディング・ア−ム』と呼ばれる独自の、ロ−プ・ロック機能を持ち、ビレィヤ−が確保時にロ−プから手を離しても、ロ−プが器具の中で確実にロック(固定)される。
多分、現在では一般的に知られ、利用されている『確保用具』での後続者の自動・確保システムを最も最初に考案・採用した『用具』だと思われる。
(右下・写真)多分、最も初期に作られた『エイトカン』単純な溶接・接合で造られている
左横の現代的な『エイトカン』と、見比べると違いが良く、理解出来る
最も、初期の角型デザインの『エイトカン』
アメリカのSMC社の製作・用具。
CMI社と、共に素材に関して、当時は最も信頼
できた。同一タイプは、現在でも愛用者は多い。

デザイン形状の特徴を、有効利用した技術は
丸型タイプには、無い応用技術での使用が可能。

キャニオニングでの、使用に適したタイプは一般的
な丸いデザインの物よりも、このタイプに多い。
変形タイプには「PIRANA」NA」など、がある。
Wロ−プ対応の下降器具・用具としては、古くから利用されて来たタイプの用具だ
発売当時は最も『多機能』と、宣伝されていた古典的な『ブレ−キ−・バ−・タイプ』の継承タイプと呼べる、下降器具だったが、数回のリニユアルを経ても、用具としての人気は高くは無い

基本的なデザインは、変化せず単純にカラ−リングが変化しただけ。

現代的な『ニ−ズ』を、備えていそうで細部・機能やクライマ-側の、使い勝手を聞かなかったので
定番・用具の位置に、入れなかった用具の筆頭品だろう。

初期に、技術的な応用で『単独登攀』での自己・確保システムとして、積極的に『この用具』を、使用していたクライマ−も存在していたが、適応・技術と本体の強度から判断して、人に薦められるほどの、用具とは言えない。


ブレ−キ−・バ−部分を、単純に固定する機能を付け加えただけで、随分と評価は変わったと思われる。
確実な『安全性を持った』用具とは、言えない。人に、薦める用具とは思えない
ハンドル付きの『アッセンダ−』としては5セット目となる旧タイプの『PETZL』製品・片手分は、10数年前に後輩がAフランケ登攀中に、誤って落として損失。
今でも、落下していった数秒間のシ−ンを、思い返せる。

(下・写真)の物は、初期モデルなので、グリップを含めて現在・最新タイプでは細部まで改良されている。材質的には、当時の製品としては優れていた。
初期のサレワ社『ヒ−ベラ−・モデル』のセット使用から、次ぎの改良品(すぐに破損するロ−プ外れ防止器具)の、使用を経て最も初期から愛用・酷使して来た『ユマ−ル・アッセンダ-』残念な事に、一番・最初に購入した初期モデルは、いつものように誰かの手に、渡っているのか、返却されず仕方なしに次に購入した2期目の製品しか、今は所有していない。

ハンドル破損の、報告を知って急遽・グリップへの直接のカラビナ使用は、止めにしてスリングを結束後・末端を縫って使用するようになった。スリングは10回・以上は取替えた。
1970年代に使用していた英国『クロッグ』のハンドル無し
の単純な構造のアッセンダ−や、国産品のユマ−と同型
タイプ。後に現地で必要に迫られて、購入したアメリカ製の
同じタイプのハンドル付きのアッセンダ−も、いつのまにか
手元から消えて、その頃の記念撮影『写真』も今は無い。

韓国土産で空港で、手渡された現在の『シャント』に酷似
したカム・ロック機能を有していた小型アッセンダ−もガイド
業務でTVの仕事で、貸出し利用している時に紛失されて
しまい、コレクションの仲間に加えられなかった。
この古い時期に自宅で撮影しておいた『下降器具』の中の
幾つかは、友人の仕事関係で陳列・展示用の古い山用具
の紹介で、貸し出して、その後に震災や仮住居との往復生活
の混乱期に、結局は返却が成されないままに、なってしまった。

『P・アラン』の原形モデルとか、グリベルの溶接リング下降器
と、東京の「山の店・オリジナル」の誰も知らないような工夫を
凝らした変った器具とかは、惜しいと思っている。
『ペッツルのルベルソ』の登場以来、フォロ−の確保で『オ−ト・ブロック機能』が使用できる確保器具が数多く、考案・製造されて来て、各社から似通った『機能』を持った『確保・専用用具/ビレイ・ディバイス』が発売され出した。『アンツ−』が、独特な『ガィディング・ア−ム』でロ−プの確実なロック・停止機能と解除機能を持っていた事を、考えると小型化し軽量化には成功した、現在・普及している各製品にはフォロ−の確保時にロックしたロ−プを解除する機能面で、少しばかり煩わしさが残っている。

『ルベルソ』の使用から始まったと、考えられているフォロ−の『オ−ト・ブロック』も実際には1970年代の後半からサレワやエ−デルリットから、考案・実用化された初期の『オ−ト・ロック/ブレ−キ』機能を有した確保・専用用具の機能面からの、継承用具とも考えられ初期の『プレ−ト・タイプ』では最も小型化・軽量化に成功していた『マジック・プレ−ト』や、改良タイプの『ジジ』が最も、初期の実用品だと思える。