マニアックな用具達(コレクションNo1)
イタリア(旧グリベル社・製品)完全プロト・タイプのオ−ト・ストップ下降器具
80年代に、一部の地域で実際に市販されていたが日本国内には入荷しなかった。
2006年、現在でも販売されている『コング社』
ロボット・タイプの下降器具は、この種類の
ブレ−キ・バ−・タイプの、最後の生き残り。

公開写真2点の『グリベル社・製品』は、完全な
プロト・タイプの物なので、日本国内には当然
入荷していないし、カタログ等に紹介された事も
ないので、知っている人は殆ど、いないでしょう。
職人の手仕事から、生み出された『用具・特有』
の、雰囲気を持ったコレクタ−好みの一品です。
(右・写真)の、誰でもが購入・入手できる市販品
とは、全く異なる本物の用具でしょう。
器具を『握って停止』する、機能を持った用具は過去
から、幾つものタイプが登場していました。
ペッツル社の「オ−ト・ストップ」と、同一機能の器具
から、手を離してストップ機能が働く、このタイプの
アイデアが、本来はクライマ−やケイバ−が望み、期待
していた性能です。

最近は『グリグリ』に、代表されるシングル・ロ−プ使用時
には、使える『用具』は、数種類から選択して使用できる
環境に、なっては来ましたが、私の様に『Wロ−プ』での
使用を望んでいる、タイプには使える『用具』は意外と少ない。

それと、細い径のクライミング・ロ−プを使う機会のある私に
は、このタイプの『用具』への期待は大きい。

このグリベル社・製品はアイデアや機能は優れていますが
細部の問題が、解決されていないので完全に実用品として
本格的な『山』の現場で使う事は、私はありません。

レスキュ−場面などでの利用には、非常に高機能な用具だと
私は、思うのですが改良タイプや類似した用具は、まだ見ません。
部品の精度も、高く。この種の用具類で見られる雑な仕上げ
が見えず。職人系のハンド・メイド・ギアらしい黒光りする外見
は、クラシックな用具に似た、風格さえ持っているようです。

『手を離すと、自動ロックが作動して停止』する。
この、当時としては斬新なアイデアでしたから、改良品が出なか
ったのは不思議でした。
ペッツル社の『オ−ト・ストップ』と、ほぼ同じ機能・性能を持ったイタリア・kong−BONAITI
私も、他のケイバ−達と同じく『ペッツル社・製品』が、国内に入荷するまで、これを使っていました。
交換用パ−ツが、国内では入手するのが面倒なので初期から使用している1台は完全・見本
もう一台は、現在も現役で酷使・使用していますが、比較的・耐久性の高いギアです。
オ−ト・ストップと呼ばれる、下降途中に『手』を離しても、停止する機能を持った器具
重く、かさばり、シングル・ロ−プ専用なので、この用具を必要とするクライマ−は、多くはいない。
私は、最長・一度のロ−プ長さで180m
高距しか懸垂懸垂下降(ラッペル)の経験
しか持たないが、世の中には凄い長さの
縦穴や壁を、下る人達も存在していて。
そんな人達には、評価が高い『専用・用具』
の一つが(右・写真)の連結式ブレ−キ・バ−
タイプの下降器具。

確かに、私の少ない経験でも『放熱性』
に関しては、優秀な用具だと思った。
本当に、長い下降では器具に水を、かけながら
使用する。

ロ−プに、過度の負担が掛からず、キンクも少
ない利点で、今・現在も愛用者は多い。
20年ほど前に、購入して使用していたので
現在は、耐用年数を過ぎたと判断して「完全」に
コレクションとして、現場に持ち出す事は無い。
表面は、かなり削れてしまった。

材質的には、非常に良い素材が使用されていて
使用・感覚は悪くは無かった。
先端部の「ブレ−キ・バ−」の抜け止め部分に
視覚的に、少しばかり恐いものがあるのが個人的に
好きになれなかった理由の一つ。

後、本体の重量は重過ぎると感じている。
現在では『ケイビング』以外の使用として主にワ−ク
及びレスキュ−目的で幾つかの発展型モデルが登場
して、日本国内での入手も容易になっている。
代表的なモデルにはアメリカ・SMC社『バ−・ラック』
が知られていて『ラッペル・ラック』とも呼ばれる。
ハ−ネスとの接続に対して、タイプの違いが生じている
現在、この『バ−・ラック』にはカラビナ接続部に異なる
二つのモデルが用意されていて、選択が可能。
単純な『エイカン・タイプ』には、まだ工夫が見受けられ
ない機能だ。
また、最近の『バ−・ラック』仮固定用の専用バ−が
付属しており『タイオフ・バ−と呼ばれる』使い勝手は
旧式モデルと比較して、各段に進歩した。
ATC等の制動器具の使用を別にして、最近
では器具にロ−プを巻きつけるタイプの、下降
器具(エイトカン)等が、下降器具の主流だが
ロ−プの流れが、スム−ズでキンクの少ない
ブレ−キ・バ−・タイプの器具が、もう少し改良
工夫されて登場しても良いと、私は思う。
クライマ−が使う、用具とは、少し違う長距離・下降に適した特殊な下降器具
様々な『条件下』でのラッペル(懸垂下降)

主に、使えるクライミング・ロ−プの径や使用している
ハ−ネスとラッペル・ディバイスの機能に、下降距離
そして、自然条件と背負っている荷物の重さなどにより
毎回、快適度から苦痛、労力が変る。

複雑な岩壁からの、下降ラインの選択や支点の設置に
度重なる、ロ−プの引き抜き・回収作業は時として実際
のクライミングよりも神経を消耗させ、長時間の下降では
不測の事態も、得ず考慮しながら注意力も必要。

『キャニオニング』での長い、下降での失敗は時として
最悪の結果を招くし、1本のロ−プの損傷が高い代償
を支払う、結果になる場合も多い。
技術的には、単純だと言われる事が多かったラッペルも
キャニオニングやケ−ビング。レスキュ−項目も含めて
以前の様には、単純で簡単と言い切るのは間違い。

用具と技術は、体験からしか学べない。
マニュアルや雑誌の比較・情報や毎回、購買意欲だけを
煽る広告の歌い文句に左右されては、いけない。
現在では単に『ロッククライミング』での使用目的に限定した『オ−ト・ロック機能を持った用具』よりは
高所作業(ワ−ク)や各種レスキュ−目的での使用にも機能が特化し、改良が進んだ各種・専用用具
が各国から登場していて、ビルの窓拭きメンテナンスから、様々な高所作業での使用率が、意外と多い
日本オリジナル製品が、以前の様には登場していないのが実は不思議。殆ど市販・入手可能な現在の
これら用具の殆ど全ては輸入品。

ガイド業務・範囲で実に様々な『高所作業的な活動』やクライミング・ジャンル意外での特殊な環境・状況下
での『レスキュ−』に関しての、基礎レクチャ−から講義・講演。実際の技術講習に映像関係での実演や
サポ−ト業務まで、私は経験していて異なるジャンルを越えて、これからも様々な希望・依頼に応える予定
なので、コレクション範囲は年々と増加。そして、コレクションとは別に使用体験が必要な各種・用具類の試用経験の量的な拡充・拡大も必要なので、情報の収集・研究にも情熱を傾けています。
噂が先行していた東欧圏メ−カ−からの各種レスキュ−&クライミング用具
は、スロベニアの『ANTHRON=アンスロン社』が、最も評価が高くケ−ビング
ジャンルや特殊なレスキュ−用具では、以前より注目を集めていた製造元
が徐々に、その力量を見せ始めたと注視している。

『アンスロン』のダブル・ストップ機能を有した最新の『ビレイ・ディバイス』は
2004年ごろから、プロトタイプの性能がバイヤ−・サイドからの評価を受けて
情報のみは、私達にも知られていたが『グリクリ』を越える性能と同程度の使用
感覚や安全性が保障されているのかは、何一つ判らない『謎の最新用具』だっ
たが2006年度の『日本語訳KEMカタログ』で、ある程度の情報は公開された。

『ダブル・ストップ機能』は、以前から要望されて来た、この種類のビレイ&下降
器具に、更なる安心感と実質的な安全性能を加えられる『器具性能の向上』で
アイディアとしては、それほど古いものでは無いが実用化されて、市販されている
用具は数少ない。

人は慣れていても、緊急時や予想外の現象やトラブルの最中にパニック状態を
引き起こす可能性は大きく、それがエキスパ−ト・レベルの能力と経験を有した
者でも、心理的障害を全て排除・拒否できるものではないので、人の間違いを
機能が補正・補う機能は、技術レベルの低い側の人間には更なる安全を確保
できて、厳しいレスキュ−現場などでは標準的な機能として採用されるだろう。
『ペッツルのシャント』を単一機能のアッセンダ−として理解している
クライマ−が多いが、本来の使用意図・主目的としてはバック・アップ
と呼ばれる『安全確保』に関わる、独立した一つの技術の中で重要
な組み合わせる『用具』としての利用価値を認められている。
『アッセンダ機能』を持つだけならば見かけは滑車。そういった用具も
同社から発売されていて、アッセンダ−機能を何に使うかは以前よりも
範囲は広いと認識しておいた方が、様々な使い方のバリエ−ションを
知れて、実際の使用現場での応用・汎用性が利用できる。

(右・写真)の、ある種のハンドル無のアッセンダ−・タイプとして見れる
用具も、他のアッセンダ−・カム機能と主カム部の形状は異なるが単純
なロ−プ・クライムにも使えるが、本来は純粋にバック・アップ用具として
製作されている。独自のム−ビング・スライド・システムを採用していて
ロ−プを登る場合にも、ラッペルで体重をロ−プに下降器具・使用で下降
している場合にも、急激な動きで確実にロック機能が働き身体を固定
安全確実に停止しする。自ら片手でマッシャ−等のスリングを緩める必要
やシャントの解除バ−を抑えておく必要も、これりで不要となり、他では
代用できない『機能を自動的に使用・可能』

『バック・アップ側』ロ−プと本体器具に過度の衝撃加重や不要な損傷を
与えないように、専用の『シヨック・アブゾ−バ−・スリング』が付属してい
て、更なる安全策を加えている。

金具(用具)類を、盲目的に信頼するのも問題だし、どの程度まで補助的
な安全策を講じなければ、ならないかは使用者の判断なのだが、日本人
クライマ−には、これまで少しばかり用具類に関して過度の信頼を寄せた
り、必要以上に強度を高く見積もる傾向が見られるので、こういった用具類
を使う上で、他国では標準となって来た『システム』を学ぶ必要は大きい。
スロバニアの『アストロン』に似通った機能面での優秀さを持った、下降器具だが数少ないダブル・ロ−プ
で使える機種が、この器具には含まれていて8mm〜9mm範囲のロ−プ径を2本・同時に使用しての
クライミング・スタイルを採用したいクライマ−やキャニオニング(沢登り)及び、それらの活動に伴なう緊急
レスキュ−時に、効力を発揮しそうで、私の次ぎの購入リストの筆頭・器具。
詳しい機能紹介は『2006年度版のMIZOカタログ』に記載されている。

『セ−フティ−・ロック』又は『ダブル・ストップ』と明記されている機能は、誤ってロック解除のブレ−キ・レバ−を、規定の位置よりも引き過ぎた場合にも、ロックが効く機能を表していて、パニック状態で誤った使い方で正しく器具が作動せず、最悪の墜落を引き起こすトラブルを解消する。ただし完全な『安全確保』を機能が
保障している訳ではなくて、これまでの他の用具よりも優れているだけなので、使用するには使い方にも
慣れておく必要はある。他に機能面で『PEZTL』の製品にも取り入れられている、セッティング時にカラビナ
から、この器具本体を取り外さなくてもロ−プをセット出来るのは、誤って器具を落とす失敗を起こさない利点
があり、グロ−ブ着用時や連続した長い距離の下降活動で、面倒なロ−プ交換・作業を要求される場合など
には非常に便利で安定感に優れた「機能」

『ワ−ク&レスキュ−仕様』に採用されている用具には、グリップ等の基本構造が使い易く、以前の物よりも
現場感覚的に見ても、良い物が多くなって来たが『山で使う』重量としては、少し重過ぎる。
『オ−ト・ストップ機能』が実用化した、各種『制動・用具』が登場したのは意外と古いが、実用的で多くのクライマ−に普及して使用され出したのは最近の事だ。下降用具では、下降・途中の停止に『仮・固定』と呼ばれる技術が要求され、ロ−プ・ブレ−キの途中から、いかに簡単・スム−ズに『仮・固定』に移れるかを工夫した用具が生まれていた。
フランスの『ニュウ・アルプ』から登場していた
シンプルな『下降用具』に似た、国産モデル。

ICIでアドバィザ−を努めていた『森田 勝氏』
考案の、『仮・固定・機能』に優れた下降用具
現在では「キャニオニング向き」の、下降用具
や、一般的な『エイトカン』でも応用的な技術
として、利用される器具とカラビナにロ−プを
かけて、製動力をセ−ブする使用方法も使え
る、国産品の用具としては最も初期の実用品

@が、通常の『エイトカン』使用時と同じセット
Aは、俗に『チヨィガケ』とも呼ばれる、制動力
を弱く使う場合に使用するセット方法。
Bが、このモデルの特徴を最も有効に利用で
きた『仮・固定』時の、ロ−プ・セット方法。

一般的に『エイトカン』で同様に使用される技術
だが、市販品の『正円タイプのエイトカン』は実
は『仮・固定システム』には向かない。
確実なロ−プ・ロックには『楕円形タイプ』が適し
ていて、角型タイプに角度を加えた『森田モデル』
は、そのシステムを良く考えて造られていた。
連続的な『懸垂下降・時』にも、いちいちハ−ネスから、カラビナを外して『下降用具』を手にせずとも、ロ−プを用具にセットできる利点が、この種の『用具』には、ある。