『スイス・グリムゼル渓谷の岩場』 (海外・情報) |
独語圏のクライミング雑誌で見知っていた『岩場』と『遊び』で、特に興味を惹かれていたのがクレッティシティ−グ(ビア・フエラ−タ−)とスイスのヨセミテと呼ばれる『グリムゼル渓谷』エルドラドの岩場と、共にモ−ビ゜ィデックも写真を見て、強く引かれるものがあった。 |
基本的に『渓谷内』では、快適な環境下でのキャンプは行えないので毎日・下の町のキャンプ・ベ−スから車で通う事になる。快適なドライブ・コ−スなのだが、交通事故は多く、緊急時にはレスキュ−・ヘリが車道に着陸。 |
『岩場』は渓谷内に広範囲に存在している。未開拓な岩場・エリアは無数といって良い。車道からのアクセス・アプロ−チの良い岩場は、どこも快適なクライミング環境。 |
『スイスのヨセミテ』と呼ばれる『グリムゼル渓谷の岩壁群』の知名度は、日本では高くない。 海外クライミング関係の雑誌や「クライミング技術・関係」のテキスト類には頻繁に名前が出ていて 装備&用具、関係の最新情報に関して興味や意欲のあるクライマ−には、欧州圏の各メ−カ− カタログにも写真が頻繁に出ているのを、見知っている人はいたが実際に『グリムゼル渓谷』での クライミング体験を公表した日本人クライマ−は少ない。『岩と雪』紙面に一度「エルドラド」での記録文が出た程度だと思われる。私個人は最初(某クライミング・ギア・メ−カ−)の情報で詳しいル−トや環境情報を知り得た。 |
制作進行中
海外『クライミング・ギア・メ−カ−』のカタログには、役立つ情報が記載されている例が多い |
こういった写真を見て事前のル−ト目標を決める事も多い |
以前からシャモニ−に入る前に、シ−ズン前の時期に『グリムゼル』かノルウェ−やスウエ−デン周辺のフィヨ−ルドの岩場で、数週間・単位での、ゆったりとしたクライミングを楽しみたいと願っていた 『グリムゼル』の情報と共に、後一つのスイス圏内の新しいエリアは少し、標高や位置する環境から時期としてシ−ズン最初に、取り組むのには時期を工夫するのが、今回は難しかったので、最も交通事情や岩場の環境が良い、グリムゼルに入った。 目標は『エルドラド』たったが、ショ−ト・ル−トでのフリ−クライミングも実に楽しかった。 |
『岩と雪』の75号『CHRONICLE』に『ハンデック・グリムゼル』でのクライミングに関して、短い記録が紹介されていた。各国別・情報欄の『スイス』に、1970年代の・後期の記録としても価値の高いクライミング・エリアとして『ヨセミテのグレィシャ−・ポイント』に似ている岩場群として短信・情報ながら日本で始めて、この周辺でのクライミングを知る事ができた。 1979年に、本格的な開拓が始まり出した『スイスのヨセミテ』と、その後に呼ばれ出したグリムゼル峠のハンデックック湖・下に建造された「水力発電所」付近の、岩壁群は当時の評価でもスイス国内でも最も素晴らしいクライミング・エリアの、ひとつだと評価されていた。 私が、この『紹介文』を読んでいた頃には、自分が渡欧して、この『岩壁群とル−ト』に手を触れる機会が得られるとは思ってもいなかった。憧れは『ブランドラ−・ハッセ・ル−ト』に代表される、ドロミテでの厳しいクライミングに注がれていたからで、『ミッシェル・ピオラ』の開拓した、無数のモンブラン山群のアルパィン・フリ−のル−トに、魅せられていた事も理由の一つだった。単独での『フ−』の核心部・手前からの落雷混じりの悪天候と、気合負け敗退から、まだ・・・・ |
初回の『モ−ビィ−ディック』は、核心に入る手前のフィンガ−・クラック周辺が、染み出しで手の付けられない程に、濡れていてA0での、突破も頭を過ぎったが素直に敗退。わざわざ日本から来たのだから、誤魔化して登っても意味を失ってしまう。この岩場は、横に広がっていてスラブの課題に、厳しいル−トがあり、私達は右側の傾斜の強いル−トを、後続のスイス人パ−ティ−を追い抜いて終了点まで登り、快適なクライミングを楽しんだ。未風化の節理に、恵まれた花崗岩は快適なフリ−クライミングで、突然の悪天候の場合にも、素早くラッペルで平らな地面に戻れる。車を止めた駐車場からも近くて、快適・環境。 |
エルドラドは『グリムゼル渓谷』の中を走る、幹線道路から遠くはなれた位置にあるので、観光客や車を眼下にした渓谷の雰囲気からは開放されて、氷河湖を眼下に後ろを振り返れば、高山の万年雪を被った山々が見られて、中々アルパィン的な風景も楽しめる。開放的な岩場には陽光が広く当たり、遮る物のない空間と巨大なド−ム壁の中での快適なフリ−クライミングは、他では経験できない種類のフリ−クライミングが楽しめる。 『エルドラド』を、ハリウッドの西部劇・映画に登場した『黄金境』と、連想するクライマ−は少し古い?タイプのクライマ−かも知れない。スペィンやブラジルにも全く同じ名前のロング・ル−トが存在していて、ひよっとしたら日本のロ−カル・エリアにも似たような名称のル−トが、存在しているかもしれない。 『グリムゼルのエルドラド』への、アプロ−チは簡単でグリムゼル湖への快適なドライブ後に、ダム横に建てられた『ホテル・ホスピッツ』付近の駐車場に車を止めて、ダムア−チ上を対岸へと渡り、よく整備された『登山道』をダム湖に沿うように進む。降雨後・夏のシ−ズン前には『登山道』を右手の岩壁帯から、かなりの水量となった滝から羅の水流を被っている箇所も、あるが日本の北アルプスと同じく、シ−ズン中に危険な箇所には手が加えられ、アプロ−チ敗退という例は、余程の悪条件下に遭遇しなければ無いだろう。 この『湖』を横に見ながらの『登山道』は、アップダウンも殆ど無くて歩き易いので快適な『トレッキング』を楽しむ人達にも、人気が高いそうだ。私達が歩いていた時にも、帽子に小さな、高山植物の花を飾った、格好の良いドイツ語圏の中高年トレッカ−を大勢、見ていた。岩場の取り付きにも見学者が、簡単に上がって来れるので、この辺りの賑やかさも面白い。ダムから『エルドラド』まで約1時間半ぐらい。 各ル−トへの取り付き箇所は、一般・登山道から分かれるポィントが数箇所ある。一番、判り易いのは最初に出逢う岩場直下に続く顕著な『細いガレ場』潅木の、隙間から岩場が見えるので確認は容易だ。 岩場・周辺での水の補給も可能な場所は、あったが環境から見ると、渇水する時期には事前にアプロ−チ途中で、予め補給しておいた方が良い。湖の水を利用するのには、浄水用具の使用でと言わなければ、ならないだろう。 降雨後の岩壁を流れ下る水流は、この岩場の大きな危険の一つ。ル−トや位置環境にもよるが『ルンゼ』や『滝状』の、ポィントには水流が集中するのが早くて、植生・植物や土壌で降雨が吸収されない、岩場なので素早い判断が大切。夏の雷雨も『氷河湖』が、直下に存在する為、起こりやすいと言われている。 落石に関しては、無さそうに見えるが私達の登攀中に左壁方向で、クライマ−のロック〜の大声は聞いている。落石の痕跡も岩場の表面に、散見されるのだから当然ながら注意は必要。 |
70年代の後半時期から『独語圏のクライミング雑誌』では、頻繁に取り上げられる事が多く、紹介・ガイド記事も多いので、岩場に関しての情報の一端は、日本にいても知る事が出来ていた。 英国やアメリカの『英語系のクライミング関係・雑誌』にも、80年代には特集ペ−ジを見るようになって興味は 膨らんだ。周辺での活発な『フリ−』は、ピオラの開拓しているモンブラン山群の、新しいル−トにも似ていて 氷河をアプロ−チに、快適かつ困難でロング・ル−トが、楽しめる点などに共通点が多いとも感じていた。 82年に大阪のIBSから、紹介された縁で欧州アルプスでの『氷河登山』を望まれる、方の完全・個人ガイドでグリンデル・ワルドに2週間ほど滞在していた時にも、地元スイスのクライマ−から『グリムゼル』での、クライミングは楽しいと聞かされていた。翌年の渡欧時にも、この辺りまで足を向ける事は適わず、けっきょく来訪・実際に岩場に触れられたのは1999年の夏のシ−ズン直前に、なってから。 事前に収集していた「情報」では『ハンデック』辺りの、草地がクライマ−に利用できる『キャンプ地』だったが、私達が訪れた時には、この『キャンプ適地』は、あまり快適なクライミング・ベ−スとして使える、環境ではなく、他にクライマ−が使用している、渓谷に入って牧場の中の小さな渓流横の『場所』も、牛に邪魔されるキャンプも面倒なので、街に戻って普通の『オ−ト・キャンプ』場を使うことにした。 『ホテル裏』の、少しばかり窮屈な雰囲気の『キャンプ場』だったが、キャンパ−に利用できる小さな小屋が雨天時の炊事や、資料整理などに便利に使えて、特別な不便は感じなかった。 |
『情報追加・予定 |