2006年2月19日〜20日 『朝日放送・番組』

バリアフリ−・プログラムでのアイスクライミング
3月20日 朝日放送『クイズ紳助くん』放送
2月17日 撮影場所「私の自宅」
前回にガイド出演した時にも、『突撃隊』
メンバ−5人が訪れるという設定ロケを行っているのでこの番組で自宅が撮影されるのは3回目となる。
2月18日『撮影・事前準備と下降路のフイックス・ロ−プ設置作業』

翌日のテレビ番組用のアイスクライミングと、下降路の安全性を確保しておく為に岩尾根に全面フイックスロ−プを固定。ロ−プ固定場所には、他の登山者やクライマ−に趣旨趣向を伝える為の「看板」をテレビ局に製作を依頼して、現場に設置しておいた。

天候は悪化気味だったが、2日間のロケ作業・撮影時間内は比較的、良い条件に恵まれて寒気も厳しいほどではなかったのが幸い。残念なのは事前・作業の18日には山頂周辺から現場・付近まで見事な樹氷が風景を美しくしていて冬山らしい景観だったのが、本番『撮影日』には山頂に戻ると樹氷は全て消えてしまっていて、御在所の冬ならではの景観が映像で出せなかった。
『番組・制作』の担当プロデュ−サ−から依頼が入り。詳しい企画内容を聞いた時点で今回も
格段の戸惑いや不安は
感じなかった

両足が義足だという事と、山登りへの情熱や『夢』が重なった場合に可能性という領域では制限はあるが無理という言葉を使用するべきでもないと感じているので、企画内容の問題点は本人の意思・意欲と現場での時間的な制限や使える用具類と技術そういった現実的な計画の問題を担当者には伝えておいた。
今回はサポ−ト・スタッフを用意する時間的な余裕が無かった点で、アイスクライミングを撮影する現場までのアプロ−チ箇所に登下降に全面的に使用できる「フイックス・ロ−プ」を張る事で時間短縮と最大限の『安全・確保』を用意する、日程を担当者に強く要望して撮影スタッフもフイックス箇所の通過を要求した。

沖縄の両足・義足のアスリ−トとして著名な島袋氏はフルマラソンの完走パラグライダ−やカヤック。現在ではアイアンマン・レ−スを目標に自転車のトレ−ニングも生活の中に取り入れているほどの、本物のアスリ−トだ。
この20年間で私がクライミング講習会で指導して本番
ル−トでクライミングを楽しんだ参加者は6人いる。
両足が義足で、リハビリ期間が数年で本格的な肉体
トレ−ニング期間も短くて、本格的なアルパィン・クライミング
や今回の様なアイスクライミングに挑戦した人は少ない。

島袋氏はアイアンマン・レ−スへのチャレンジを見据えた練習
として日常的なトレ−ニングとして自転車も積極的に使用して
いる。
一般的には乗り降りや、ペダルの回転に合わせる関節部や足裏
の感触が得られない『義足・使用者』には困難な課題だ。

又、義足は主に生活の中での日常的な歩行・動作を基本に設計
・製作されている例が殆どで
他種目の運動に適合する『特殊・義足』は現代の技術を持って
しても生み出されていない。

『アイスクライミング』の体験・初日。沖縄から空路、前夜に到着してホテルに到着した島袋氏と、お会いしたのは撮影・当日。まずは本人が数ケ月・前に登頂を断念した「アコンガグア」で使用したと言う各種『登山・装備』と本人が使用しようと考えて持ち込んだ『義足とブ−ツ』を部屋で拝見した。

『無理が生じている』感想は、問題だという事だ。

まず『義足に合わせたブ−ツが現在のアイスクライミングに適したタイプに使用できるタイプではない、歩行モ−ドに適したソフト・ソ−ル&ソフト・シェルだった点で、この時点で私が用意して来た6タイプのアイゼン全ては使用出来ない事が理解できた。島袋氏が持参した『アイゼン』も非常に軽量なアルミ製品なのだがブ−ツとの固定方法がブ−ツその物の硬さと適合していないので、本格的な氷に対応するのは物理的に困難。基本的には『無理』なのだが、それを承知でアイスクライミング・シ−ンを撮影したいと申出られたので、その「無理を承知」で現場へ向う。こういった場合、テレビ制作者だけからの依頼ならば確実に『企画を断っていた』だろうが、沖縄からの来訪で機会も得にくい環境の島袋氏の期待には応えたかった。
前日の土曜日はガイド講習会を含めてルンゼ取り付き周辺に30人ほどのクライマ−や藤内沢から上がって来た登山者の見物客で大賑わいだったが、撮影当日は芦屋の顔見知りグル−プ3人と左上して終了点へ抜け出た2人のクライマ−以外は、それほど現場に止まる登山者は、いなくてトップロ−プと撮影スタッフ用のフイックスが他の、クライマ−の邪魔になる事は無かった。
『クイズ紳助くん』からの派遣「難波突撃隊メンバ−」 島田まさし君

固定したロ−プにW確保スリングに取り付けた『シャント』をセルフ・ビレ−として使用して、タイト・ロ−プで更に私が上部からコンテニアンスで確保態勢。

左手・用のアックスはICI石井スポ−ツからメ−カ−供与・試用品として今回も借り受けて来たカンプのア−ワックス。リ−シュ−をBDの一捻り固定タイプで使用した。タレントさんの上下アウタ−は石井スポ−ツ・大阪店スタッフの大串君から提供。ヘルメットはペッツル社のエクランを私が改造した物を使って、CCDカメラを取り付けた。
山中でも毎回・金具の調整部分を細かくあわせる必要が合った。

義足の固定部分は空気を遮断して密着度を高める為にゴム系・素材が使用されていて固定と言う部分では最適だが、透湿性が皆無なので冬山でも『汗』による濡れの問題が必ず生じる。固定部分の内部で汗と皮膚の密着度が損なわれる事による固定度の低下を改善する『課題』問題が解決されれば、より快適・安全にアイスクライミングや急傾斜の雪壁でのアイゼン使用が可能だと思われる。密着性能と透湿性は相反する性質なので、難しい問題だと感じた。

義足部分の「脛部」はパイプ状なのでオ−バ−パンツとアイゼンの干渉・引っ掛け、そういった危険を避ける為に私が想定して持参したネオプレ−ン素材のプロテクタ−を巻き付けて使用。
一枚の布タイプで全面・マジックテ−プ固定が可能なので、任意の箇所で自由に固定・巻き止め・が可能。
着脱が容易で、今回のアイスクライミングには充分に役立った。

テレビ番組では、編集で自由に映像を加工しているので『現場・映像』の
順番やスト−リ−は変えられている
事前・準備が行えて。私が個人・依頼で今回のアイスクライミング体験をガイド担当していれば
ブ−ツとアイゼンの問題点は簡単にクリアしていた。撮影用のCCDカメラも実は邪魔。
島袋氏には、アイスクライミング途中に義足からブ−ツが脱げ落ちるなどの途中・敗退の問題は残るが体験としては面白かった・との感想を頂いた
無事に撮影を終了して、御在所岳ロ−プウエイ駅への車道に出て『集合写真』フイックス・ロ−プを張らなければ、時間的に撮影を終えられなかっただろう
写真・使用の許可済み
下降中の岩尾根の垂直部の段差やギヤップ部
でのバランス保持には自己確保に使用している
メインの固定ロ−プと並行して、補助のグリップ
用ロ−プも数箇所・付け加えたので全体のロ−プ
数量は多い。
補助部は7mm〜8mmのソロ・クライミング
時に使う物をWで使用。
今回のテレビ番組からのガイド依頼も、急だったが撮影スタッフ使用の各種・装備のガイド・メディア割引も含めてICI石井スポ−ツ大阪・店からは、いつものいつものごとく多大な御支援を受けた担当者の大串君、毎回の事ながら、ありがとう。
『義足』に関しては年々、様々な改良が進んでいるようです。島袋氏とのアイスクライミングを終えて
翌月の神戸新聞には『義足用・継ぎ手の新しい開発』記事が出ていました。
(2006年3月1日)
義足利用者の不便な、運動動作である『階段や急な下り坂も、自然な足運びが可能』制御機器メ−カ−ナプテスコが、ひざから下を失い義足を使っている人に、新しい『義足・継ぎ手』を開発。
マイクロコンピユ−タ−と油圧による制御を合わせて使用。この新しいモデルが神戸工場で開発された事は素晴らしい。この種の義足は海外では実用化されているという話しは聞いていたが、、価格が300万円ちかくと高額なので、普通は気楽に使えない。それが国産だと100万円・以下とコストダウンしたとか。この種の義足が、更に普及して山歩きを楽しむ義足利用者にも使えると、夢も更に大きく広がると思った。
担当プロデユ−サ−からの好意で出演者・枠で公開録画を家族3人で見に行った。特別席に案内され、葉書・抽選の一般視聴者とは別の場所に座って島田伸介氏の噂の長いト−クを拝見。若手の芸人さん達がスタジオに入って来るのを見ていると10人・以上は過去に何がしか私が企画で『シゴイタ?』お笑い系の若手だった。

2006/04/03 (月) 19:28:38

『タレントさん』からの個人的なHPでの
写真・使用の許可を得ています。