1976年〜1980年 『エリア的に近い渓谷の岩場』と組み合わせたり、混雑する岩場から少しは離れて用具が不要で、気楽に楽しめる『ボルダリング』の課題を探したりしながら、ほんの数人の仲間達だけで遊んでいた、山と呼ぶには気恥ずかしい『丘陵』範囲に、かなり広がって点在している『ボルダ−・エリア』記録や情報などを、一切これまで公表していないので、まず他のクライマ−と出合う事は無かった。
西宮市の『北山公園』と感覚的に、似たような景観と雰囲気の潅木帯の中に点在している『ボルダ−群』だが、ハイボルダ−と呼べるほどの課題は数個で、大阪城・建造時に利用されたと思える、石切場としての痕跡が随所に見られて、歴史的な価値を感じるのだが他の『エリア』と、違って市の教育委員会や風土私家などの興味も引かないのか、記述や文献を殆ど見ないのは不思議だ。

『渓谷の岩場』での既成エイド・ル−トでのフリ−化や課題が、概ね解決した83年頃には、私達は発見の楽しさがあったので、頻繁に東西両面の潅木帯を、かき分けてボルダ−を捜し歩いていたので殆どの大岩には手を触れていた。20数年ほど忘れていたように、このエリアに立ち入る事は無かったが2007年に周辺での、開発工事に関する『情報』を聞くようになり、幾つかのボルダ−を再発見する機会が得られた。
アプロ−チの遊歩道は整備された『ハイキング道』に代り、道標や看板なども設置されていて、展望の良い場所には木製の椅子なども設置されている。丘陵山頂部では周囲の景観を楽しむ為か、立木や潅木が伐採されていて、整地作業も行われているので、入山環境は昔に比べて、格段に良くなっていた。

山中の渓流は下流から『宅地造成』で大きく変化し、山中では水道関連の施設や砂防堰堤で往時の面影は一切無く、上流部は完全に人工的な公園化と貯水池で自然環境は残っていない。
それでも僅かに、入渓口には、かっての『水修業場』は残っており、今でも宗教的にも貴重な場所として
利用されていて、山中の一般者の立ち入り禁止区域の外れには、かっての修業滝の名残も健在。
多分?『六甲山中』で、最も人に知られていない、市街地から近い『超・穴場』かも知れない。
近隣住民でさえも、存在を知らないという人達が多い。意外と便利な場所に存在しているのだが、この場所を訪れるハイカ−の姿を見る事は稀だ。ボルダ−の存在を感じさせる大岩が、この辺りから見られる。
古いタイプの『石割痕跡』切り出し後に、放置された板岩が山中に無数に点在している。中には『家紋』が刻まれて、搬出されるのを待っていながら、放置されたと考えられる『切り出し岩』も多い。夏場は、うっそうとした潅木帯の斜面にボルダ−が点在しているので、探査目的ならば冬場の葉が落ちた時期が歩き易い。この周辺は異常に猪の多い山域なので少し湿った場所や窪地には数多くの『ヌタバ』があり、斜面の獣道が縦横に交差しているので、適当に利用してボルダ−間を移動できる場所も多い。
クライマ−が訪れる事は殆ど無いが、たまに『歴史研究』『イワクラ調査』愛好家の人達が踏み入っているようだ。『家紋』に比較的、新しいマ−キングか石彫り跡を新しく、なぞった様な痕跡を見る。
20年間ほどの放置で、取り付き地点には落葉が高く積もり。岩肌には蔦や苔が生え出していた。
標高190mほどの『丘陵』南斜面の遊歩道・沿いの尾根は比較的、踏まれているようで軽いハイキングにも適した環境だ。下草も少なく、明るく整備の手が加えられている。
Monday, 17 March, 2008
東面の比較的、大きなボルダ−には震災時の影響が見受けられて、以前の課題に変化が見られた
アプロ−チは南北・両方向から可能で北側へは車で遊歩道・入口の近くまで接近できる。
70年代の後半期から80年代、初めの『初期のボルダリング』を楽しんでいた、花崗岩の露岩を課題としての、遊び場所の一つなので、現代的な『課題や対象』として紹介するのには無理がある。

幾つかの大岩は、一般的なハイボルダ−の範疇に入る大きさだが、ボルダ−表面の風化に関しては、他のエリアよりも悪いという思えて、苔などの除去が要求される岩も多い。

ただ、環境的には静かであり、アプロ−チ至便。そして各ボルダ−を発見し、自分で課題を設定し解決するといった、原初的なボルダリングの楽しみ方を満喫できるという点では、他のエリアとは違った意味での楽しみ方は残っている。着地に関しても、斜面の傾斜も緩くて整地は容易。落葉の積もったランディングは安全な範囲に入るエリアだろう。潅木は、まばらなので葉の落ちた冬場には、それほど苦労せずに幾つかのボルダ−を見つけられる。
近くの森林公園などと組み合わせて、アプロ−チを工夫して家族連れでの半日ハイキングの、片手間に軽くボルダ−に触れて遊ぶ時や、渓谷の岩場に立ち寄った帰りに、散歩気分で遊ぶなどには知っておくと良いエリア。クライミングとは『想像性と創造性』と、考えれば課題の設定と共に発見などの楽しみ方も必要かも知れない。幾つか、面白い対象もあり、まだ発見を待つボルダ−も残っているかも知れない
場所が判らなければ、個人的に御教えします。
『西宮市・仏性原・周辺のボルダ−群』
一種の再発見『ボルダ−・エリア』
住宅地が渓流を遮断していて、『行場』への道は判り難い。阪神バスの停留所から、それほど遠い箇所にある訳ではないが、山へ入る入口は住宅地に沿っていて看板や標識が、ある訳でもないので始めての方には見つけるのが少しばかり難しい。住宅地の裏側の山道に入ると『行場』は近いが、少し手前からの踏み跡を右に入り一般利用の山道に入るほうが良い。山と言うのには可愛らしい『丘陵』山頂には、幾つかの道が交差していて旧・高級料亭・方面からの道は、現在では使い辛い。一般的には北側の水道施設・方向から遊歩道・経由で見晴らしの良くなった山頂部に出た方がアプロ−チは楽で、範囲の把握にも適しているようだ。